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レーヴァティン
第百四十七話 捕虜と外交その四

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「構いませんが」
「その叛乱を抑えるならか」
「武力を用いてでも」
「そこで既得権益層を倒してか」
「潰すつもりならいいですが」
「そうでもないとか」
「徐々に行うべきです」
 一気にではなく、というのだ。
「あくまで、劇薬は身体を治しても」
「副作用もあったりするな」
「はい、ですから」
「それよりもか」
「穏やかな薬や治療法で、です」
「徐々に治した方がいいか」
「即座に行わないとならない場合もありますが」
 それでもというのだ。
「そうでないのなら」
「徐々にか」
「若しくは我々の様にです」
「戦争をして降していく中でか」
「進めるといいです」
「成程な」
「少なくともね」
 清音も言ってきた。
「革命とかやるとね」
「ああ、国は一気に変わってな」
「よくなるかも知れないけれど」
「革命って血が流れるからな」
「無血革命なんてそうないでしょ」
「ああ、大抵内乱になってな」
 そうしてとだ、久志は清音に応えて述べた。
「それで大勢の人が死ぬな」
「失うものも多いでしょ」
「フランス革命とかな」
「あの革命も失ったもの多いわね」
「百万程の人が死んだらしいしな」
 革命の中でだ、それだけの人命が犠牲になったのだ。
「街の人間の一割殺されたりな」
「革命の中でね」
「そんなこともあったしな」
「冤罪で処刑された人も多いでしょ」
「ジャコバン派が滅茶苦茶やったからな」 
 ロベスピエール率いる急進的共和主義者達だ、革命に反するとみなされればそれだけでギロチン送りとなっていた。
「ああした連中も出たりするしな」
「革命はね」
「あまりしない方がいいな」
「言葉は恰好いいけれど」
「それでもな」
「失うものは多いから」
 だからだというのだ。
「どうしてもね」
「やっぱり徐々にか」
「政は進めていくべきよ」
「構造改革もか」
「ええ、私達もそうしてるでしょ」
「ああ、戦の中でな」
「戦の中でもそれが出来ればいいわ」
 清音はこうも言った。
「中欧集権国家にすることもね」
「国王や貴族の権限を弱めてな」
「そうしていくといいわ」
「そうだよな、しかしな」
「しかし?」
「連合王国まで領土にしてな」
 そうしてとだ、久志は言うのだった。
「その後で東の諸都市群も攻めるけれどな」
「それがどうかしたのかしら」
「いや、連合王国と諸都市群で随分違うな」 
 国家の形態がというのだ。
「どうもな」
「連合王国は領邦国家でして」
 夕子も言ってきた。
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