第二章
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「だからね」
「リカちゃんは引き取って」
「この子猫ちゃんはね」
「まず病院に連れて行くのね」
「ずっと蹲ってるし目を開かないから」
「それにリカちゃんも助けて欲しいみたいだから」
リカを見ればそうだった、子猫を守る様にしてその傍にいながら二人に必死に頼み込む様に鳴き通けている。
「だからね」
「それでなのね」
「今からね」
「病院ね」
「連れて行きましょう」
好美は美穂に言った、そうしてだった。
すぐにリカを引き取り子猫は病院に連れて行った、すると子猫が雌であることがわかると共にだった。
子猫を病院に連れて行った美穂は彼女を家に戻してから母に話した。
「目の病気らしくて」
「それで開かないの」
「ええ、けれど治るらしいわ」
「そうなの」
「目薬をさせばね」
それでとだ、リカと同じく薄い灰色の毛の子猫を見つつ母に話した。既に首にはカラーが巻かれている。
「治るってね」
「獣医さん言っていたのね」
「確実にね」
「よかったわ、じゃあね」
「この子によね」
「目薬さしてね」
そしてとだ、好美は娘に微笑んで話した。
「治ってもらいましょう」
「それじゃあね」
「ええ、それとね」
「それと?」
「この子もね」
「うちで引き取って」
「家族になってもらいましょう」
こう娘に言うのだった。
「リカちゃんもそうなるし」
「母娘でなのね」
「引き取りましょう」
「それじゃあ」
「ええ、今日からその娘も家族よ」
母猫のリカと同じくそうなるというのだ。
「お父さんには言っておくから」
「それじゃあね」
「楽しくね」
「三人と三匹で暮らしていくのね」
「そうしましょう」
こうしてだった、リカと子猫も美穂達の家族になった。子猫の名前はリーザと名付けられ家族に大事に育てられた、だが。
カラーをして目を閉じたままのリーザを見てだった、リカだけでなく前から家にいたミーコもリーザを心配そうに見て身体を舐めたりしていたわっている、それで美穂達を見て鳴くのだった。
「ニャア」
「ニイ」
「安心してね、リーザの目は治るから」
美穂は二匹にいつもこう答えた、そしてだった。
リーザの目に目薬をさし続けた、そうしつつ母に言った。
「猫の目もね」
「ええ、病気になるわよ」
「そうよね」
「人間と同じよ」
好美は娘に話した。
「病気になってね」
「目もなのね」
「そうなるから」
だからだというのだ。
「もうこのことはね」
「仕方ないのね」
「だから治せたら」
自分達がそう出来ればというのだ。
「治してあげないとね」
「駄目よね」
「こうした時に見捨てる人は駄目でしょ」
「冷たい人ね」
「誰かを助けない人は誰にも助けられないわ」
好美
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