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寒さが消えて
第三章
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「今は休めよ」
「しかし何で自宅療養なんだ?」
 ここで同僚の一人がこのことについて言った。
「入院しなかったのか」
「そういえばそうだよな」
「病院でも入院勧められたんだろ」
「何でそれ断ったんだ?」
「自宅療養にしたんだ?」
「当たり前だろ、こいつがいるんだろ」
 ここでだ、健四郎は。
 ベッドの上で半身を起こしている自分の膝の上にいるレオを撫でた、そのうえで同僚達に対して話した。
「こいつの面倒見ないといけないからな」
「誰かに預けたらいいだろ」
「そうしないんだな」
「それが嫌だからな、やっぱり家族だからな」
 それだけにとだ、今は丸くなっているレオを見つつ話した。
「一緒にいたいんだよ」
「だからか」
「面倒見ないといけないし」
「一緒にいたいからか」
「だからな、それで自宅療養にしてもらったんだ、自分で色々しないといけないけれど」
 怪我をして不自由な身体だが、というのだ。
「骨折していても片足だけで動けるしな」
「何とかやってくか」
「そうするんだな」
「ああ、近くのコンビニとかスーパーでもの買って風呂やトイレは工夫して。猫の餌とかトイレの砂とかもスーパーで買って」
「ニャア」
 そのレオを見つつ話した、レオは撫でられて嬉しいのか上機嫌な調子で一言鳴いてそのうえで喉を鳴らした。
「工夫してくさ、松葉杖も貰ったしな」
「そうか、でも養生しろよ」
「しっかりとな」
「そうしろよ」
「ああ、こいつの為にもな」 
 やはりレオを見つつ言う、そしてだった。
 健四郎は自宅療養に入った、そして一月ギプスをしてそれからだった。
 リハビリも終えて会社に復帰した、すると復帰の挨拶の後ですぐに同僚達に言った。
「もうずっとレオが傍にいてくれたよ」
「家にいる間か」
「そうだったんだな」
「あの猫ちゃんが」
「ああ、起きてる時も寝てる時もな」
 それこそとだ、健四郎は同僚達に明るい笑顔で話した。
「一緒だったよ」
「それはよかったな」
「怪我をしても誰かが一緒にいてくれたら違うよな」
「それだけで違うよな」
「そうだよ、レオがいなかったら」
 若しそうだったらとだ、健四郎はこうも言った。
「辛かったな、本当にレオがいてくれてよかったよ」
「それは何よりだな」
「本当によかったな」
「ああ、だから労災や保険のお金もあるし」
 それでとだ、健四郎はさらに言った。
「今日はレオにとびきりのキャットフード買ってな」
「レオ君に食べさせてあげるんだな」
「そうするんだな」
「そうするな、ずっと傍にいてくれたからな」 
 健四郎は同僚達に満面の笑顔で話した。
「そうするな」
「本当に幸せそうだな」
「よっぽどあの子が好きなんだな」
「そうなんだな」
「あ
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