暁 〜小説投稿サイト〜
夜に交わる伴装者〜Heros a H eroism〜
淫夜のデュエット(翔ひび)
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々素直になれない私の仮面を、彼はそっと剥ぎ取ってくれるのだ。

そんなツェルトに、つい甘えたくなってしまうのだけれども……。

(まだダ〜メっ。日本に帰るまで、もう少しの辛抱よ)

私は敢えて、ツェルトの誘いを「後回し」にする。

本当は私だって、ツェルトに沢山可愛がって欲しい。

彼の逞しい腕で抱き締めて、彼の激しさに口付けられて、彼の熱くて大きなモノで貫いて欲しい。

でも、もうちょっとだけ我慢しなくちゃ。

だって、今は──

(セレナが一人で寂しがってる事、気にしないあなたじゃないでしょう?)
(そうだな……。セレナが待ってるんだ。俺達だけ、遠く離れた海の向こうで先に楽しんでしまうのはよくないな……)

そう。セレナもいるんだから?

私とセレナ、二人でツェルトを悦ばせて、そして二人でツェルトに抱かれる。

私達は三人一緒。だから……お臍の下が切ないけれど、もう少しだけ……。

「……はぁ〜。私もいつか、緒川さんと……」

翼の漏らした一言は、私の耳に届く前に、風と共にロンドンの空へと消えていった。
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