第三章
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「親子みたいに」
「まさか二匹が親子なんてな」
「思わなかったわね」
「ああ、けれど初対面でいきなりじゃれ合うからな」
「まず間違いないわね」
「この子達は親子だな」
「そうね」
二人で笑顔で話した、そして実際にだった。
ミライはよくミニーと一緒にいる様になった、だが決して彼もミニーもランとは仲が悪い訳でなく三匹でだった。
よく一緒にいた、それも夜にはよく夫婦の寝室に三匹で来た、久信は寝る前に自分達のベッドの上にいる三匹に苦笑いで問うた。
「どかないか?」
「ニャア」
「ニャア」
「ニャア」
ミライもミニーもランもだった、三匹共。
ベッドの上で丸くなっている、そのうえで顔を上げて彼に応えた。そしてその後で三匹共腹を見せてゴロゴロと鳴きだした。
その三匹の喉や腹を平等にさすりながらだった、大輔は自分の傍にパジャマ姿でいる妻に対して言った。
「参ったな、今日は」
「ええ、しようって思っていたのにね」
「どうしようか」
「この子達の邪魔になるから」
それでとだ、妻は夫に提案した。
「ベッドで寝るにしても」
「それでもな」
「ええ、するのはね」
「他の場所でしようか」
「ソファー行きましょう」
紀は夫の手を引いて言った。
「そこでね」
「するか」
「ソファーでも出来るでしょ」
「それはな」
実際にとだ、夫は妻に答えた。
「出来るな」
「だからね」
「それじゃあソファーでして」
「そしてね」
そのうえでと話してだった、そのうえで。
二人はリビングのソファーに向かった、そこで二人がしたいことをした後で服を整えてからベッドに戻ると。
ランとミニーはベッドの上の足元に、ミライは枕元にいた。紀は夫と共にベッドに入ってからまずはランとミニーに寝る前の挨拶をし。
夫にも挨拶をして自分の顔のすぐ傍で丸くなっているミライにも挨拶をした。
「ミライ、お休みなさい」
「ニャア」
ミライはその紀に小さく鳴いて応えた、紀はその鳴き声を聞いてから微笑んで眠りに入った。そして翌朝は三匹に餌をやってから一日をはじめた。夫と共に三匹に増えた猫達と暮らす生活は幸せそのものだった。
ゴミ箱の中から 完
2020・3・23
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