第八話
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といつもと違う気がしました。
考えすぎかなぁ?
「では魔王様、参りましょうか」
ヴィルゴーストさんが魔王を抱っこしたままポータルの前までふわっと飛んでいきます。
そしてポータル前に着地したヴィルゴーストさんはそこで作業をしていた魔物たちに、何やら指示を出しているみたいです。
しばらくのやり取りのあと、ヴィルゴーストさんを先頭に作業員の魔物たちはポータルの向こう側へと行ってしまいました。
「よし、今だな」
ゴルガスさんの合図でみんなはポータルへ向かって進みます。
ポータルの下には、転移門のような……でもそれよりもずっと大きな石のタイルが貼られた舞台があります。
多分これが呪物?
みんなで手分けして赤いクリスタルを探しました。
「勇者様、ありましたよー」
見つけたのはエルマちゃんでした。
みんながそこに駆け寄って集まります。
「こいつでいいのか?」
ゴルガスさんがアルマさんに訪ねます。
「ああ、これがこの呪物の要になるものじゃろう。機能は正直複雑すぎてわからんが、ここにすべての制御が集中しておる」
「そうか。じゃあ戸希乃《ときの》、いっちょう頼むぜ」
「うん、わかった」
……なんだろう、やっぱりもやもやする。
まだ調子悪いのかな。
でも勇者の役目がこれを壊すだけだったら……私ほんとにいるのかなぁ?
「戸希乃《ときの》?」
「あ、うん。すぐやるから」
しっかりしなくちゃね。
私は聖剣を赤いクリスタルに突き立てます。
するとクリスタルが粉々に砕け散りました。
と、同時に……。
「な、なに?」
全身が飛び跳ねそうなほどの低音の振動が一瞬、駆け抜けていったような変な感覚。
「今のはなんだ?」
ゴルガスさんも、他のみんなも感じたみたいです。
「わからぬ。だがポータルの方から放たれたのは確かなようじゃ」
私もアルマさんの言うように感じました。
けど……?
「壁が……?」
もやもやした霧の壁に巨大な波紋が走った……ような気がしました。
「どうした戸希乃《ときの》?」
「今、壁が揺らいだような気がしたの」
「壁、じゃと?」
アルマさんもゴルガスさんも、壁の方を振り返ります。
「何ともないようだが……?」
「その……一瞬だけ、だったから」
正直私もホントにそれを見たのか自信がありません。
「どう思う、アルマさん?」
「わからぬ……ポータルの変動が、断層に干渉したのか……」
ゴルガスさんとアルマさんも決めかねている感じです。
「あ、あの……」
「戸希乃《ときの》?」
「よく……わか
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