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勇者戸希乃を信じてほしい
第八話
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?」

「毒は毒だが、一日二日だったらどうってことはないさ。万が一問題が起きてもマナが潤沢なところまで戻れば、自然に抜ける」

 そうなんだ……でもあんまり長居はしたくないなぁ……。



 森を抜ける頃にはもう夕暮れ時でした。
 ポータルの光が向こうに見えるけれどその前に……。

「荒野……だな」

 ゴルガスさんがつぶやいた通り、そこに広がっていたのは草一本生えていない荒野でした。
 これも瘴気の影響?

「そうだな。元はこのあたりも森だったか、草原だったか……。だが長年断層の放出する瘴気にさらされた結果、みんな枯れてしまったんだろう」

 魔王……。

「これってこれ以上広がったりは……?」

「それはないから安心しろ。さっきも言ったが瘴気はマナと反応して清浄化する。だから今以上に広がることはないさ」

 なら安心、かな?



 私たちは魔王軍の人たちに見つからないように、岩陰伝いに進んでいきます。
 イントルードモードです。アラームを鳴らされないように周囲を警戒しながら蛇みたいにこっそり進みます。

 やがて向こうに不思議なものが見えてきました。
 白い壁です。
 でも、壁と言っても石とか木とかでできているわけではありません。
 なにかモヤモヤした……霧の壁?

「魔王、あの壁はなに?」

「あれが次元の断層だ。あいつが魔界を取り囲んでこの世界と切り離している。あの中に入るなよ?ただの霧に見えるかもしれないが、あの向こうには永遠になにもない空間が続いている」

 なにそれこわい。

 私達はさらにポータルを目指して進みます。
 霧の壁はモヤモヤしてそこから動かないけれど、あんなことを言われたら近くに行く気にはなりません。

 そして無事ポータルが見えるところまで近づきました。
 ポータルはきりの壁の前に浮かんだ横に広い楕円形の不思議な光の輪のように見えます。
 でもその輪に囲まれた中はすぐ後ろにある霧の壁ではなくて、どこか別の場所が見えます。
 もしかして、あれが魔界でしょうか?

 ポータルの周りには小さな人型の、でも肌の赤い魔物がたくさんいます。
 何か作業しているのかな?

 そこで魔王が言います。

「よし、この辺でいいだろう。俺たちはここから別行動だ。あそこにいる奴らをポータルの向こうへ誘導するから、その隙にクリスタルを壊してくれ。終わったら中に入るんだ。向こう側にも同じようにクリスタルがあるからそいつを壊せ。終わったら脱出だ。わかったか?」

「わかった……魔王、変なこと考えないでよね」

「変なことってなんだよ?まさかここまできて裏切るとでも?」

 魔王はそう言って笑いました。
 でもなんかその笑顔は……ちょっ
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