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勇者戸希乃を信じてほしい
第八話
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「俺たちはちょっと別行動だな。ポータル周辺には当然俺の配下の連中がかなりの数いるはずだ。それをしばらくの間抑えておくから、その間に行動してくれ」

「……なるほど、分かった」

「魔王ちゃんがヴィルゴーストさんと一緒に行くのでしたら、私は勇者様たちのお手伝いをしますよ!」

 突然マリアさんが張り切り始めました。

「え!?いやマリアさんはここで待っていてくれれば……」

「いえいえ、せっかくですからお手伝いします」

「いやいや、危険ですから」

「そんなそんな」

 あー、また始まった。

「あー、二人とも、先に進んでいいか?」

 魔王突っ込み。

「お、おう」

「マリアはついてきたほうがいい。離れ離れになった場合、脱出が面倒になるだろ。一緒に行動していたほうがいい」

「そうか……。じゃあ、あとは……そうだな、その呪物を破壊したらポータルはどうなるんだ?」

「すぐには何も。もともと時間をかけて開いていくものだからな。呪物が止まったとしても即閉じるわけじゃない。ただ今のうちに閉じることができれば厄介なやつらを通過させずに済むし、一月ほどで自然消滅するから人間界に来た軍団の連中に撤退を促すこともできる」

「なるほど。じゃあことが終わったらどうする?まあ逃げるんだろうが……魔王ともくもくは魔界に残るんだろう?」

「ああ、そうなるな」

「脱出はわしかエルマがテレポートの魔法を使うのが良いと思うぞ」

「そうだな、それが安全だろう」

 着々と作戦が決まっていきます。
 ……勇者いらないなぁ。

「どうした、戸希乃《ときの》?まだ調子が悪いのか?」

 気がつくとゴルガスさんがこっちを心配そうに見てました。

「うん、大丈夫だよ」

「ならいいが……辛いなら言うんだぞ、いいな?」

「うん」

 しっかりしなくちゃね。
 ……でもどうすればしっかりできるんだろう?



 作戦会議も終わって、みんな出発します。
 魔王はヴィルゴーストさんが担当して、マリアさんも剣を持っています。

 転移門を囲っていた森の中を歩いてしばらく行くと、だんだん枯れた木が目立ってきます。

「ねえ魔王、なんでここの木は枯れてるの?」

「これは断層の影響だな」

「断層?」

 魔王の口からまた新しい単語が出ました。
 試験ですか?事前に範囲を教えておいてください。

「前に初代勇者がやったことを話したろ?奴は空間断層を作って人間界の一部を切り離し、魔界にしたんだ。断層の周辺はその影響で瘴気が発生してな。瘴気はしばらくすればマナと反応して清浄化されるんだが、それに長期間さらされ続けるとこう言う感じになる」

「それって毒なんじゃ!
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