第六話
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「いや……俺は……初代魔王だよ」
あれ?なんか話がおかしくない?
「伝承では初代勇者は魔王と戦ったのではなく、今でいう魔界の住人たちを大陸の果てに追い払い、それまで地続きだった人間界と魔界を切り離したとされておるな」
アルマさんが教えてくれた。
へー、初代勇者スケールでかい。さすが神様。
「あ、じゃあ魔王はその後に生まれたんだ」
「まあそんなところだな」
なるほどー。
あ、そういえば……。
「それはそれとして聖剣の話はどうなったの?」
「ああ、そうだったな。聖剣なんて言っているけれど、要は初代勇者が使った剣だ。さっき言ったように初代勇者は神様だったから使った剣がその神性を帯びただけで、ものとしてはごく普通の剣だよ」
「へー?神性を帯びるとどうなるの?」
「魔を払うことができるようになる、なんて言われているが一部の魔法を妨害するだけだな」
「一部?」
するとアルマさんが解説してくれました。
「魔族なんて呼ばれておるが、あやつらも元はと言えばこの世界の住人。我ら妖精族と同じように肉体の濃さが人間と異なるだけと考えることもできるな。それゆえ魔法を妨害する聖剣というのはそれだけで魔族にとっては厄介な代物になるじゃろうて」
なるほどー。
でもそれってやっぱり結構重要アイテムじゃないかな。
ぜひ手に入れたいところです。
ダンジョン探索は順調に進みます。
地図があればもっと楽だったんですけど、片手を壁に触れたまま辿って進めば必ずゴールに着くんですよ!
「その方法、壁にトラップやそのトリガーがあるダンジョンではやるなよ」
「え……?」
「まあ、壁を触りながらってのは、トラップを発動させて回ることになるし、やっぱまずいよな」
そうなんだ……。
じゃあトラップのないダンジョン限定で……。
そしてついにダンジョンの最深部、初代勇者のお墓の前までたどり着きました。
そこは少し広い円形の広場になっていてその中央に天井を作っている巨木の幹があり、その前に豪華な石碑が建てられています。
思わず手を合わせて拝んでしまいます。
「おい戸希乃《ときの》、それはなんだ?」
「ゴルガスさん?何って拝んでいるんだけど」
「へー、お前の国ではそうやるのか。俺はこうだな」
ゴルガスさんは両膝を地面について胸の前で手を組むと目を閉じうつむきます。
「私もそうですねー」
と、マリアさんも並んで同じようにします。
「アルマさんとエルマさんはどんな感じですか?」
「まあ似たようなもんさね」
とアルマさんもみんなと同じポーズで並びます。
エルマさんは……あ、蝶
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