第六話
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勇者だって、この世界で死ねば墓にぐらいは入れてもらえるさ」
「その召喚されたのにこの世界にお墓がある勇者たちは、元の世界に帰らずにこの世界に残ったってこと?」
「そういう奇特なのも中にはいたかもしれないが、ほとんどは道半ばで倒れて元の世界に戻れなかった勇者の墓だろ」
「え……でも魔王討伐の途中で死んじゃっても、「勇者よ、死んでしまうとは何事か!」って王様に怒られてお城から再開するんじゃ……」
「そりゃゲームの話だろ。俺と一部の魔界の住人以外はみんな残機なしの一発勝負だよ」
「そんな……魔王ずるい」
「これはずるいとかじゃなくってなあ……」
魔王は何か言おうとして口ごもった気がしました。
なにを言おうとしたんだろう?気になります。
迷いの森から五日、勇者の墓所へ到着しました。
勇者の墓所はたくさんの石柱を並べて作られた巨大迷宮になっています。
天井はありませんが中央に生えた巨大な木から広がった無数の枝が上を覆っています。
木漏れ日が結構差し込むので暗くはないですが、モンスターが入り込んでいるのでダンジョン感マシマシです。
まあ、今の私たちならば、こんな雑魚モンスターなんて余裕ですけどね!
……一応私も戦っていますよ?
「貢献度合いは低いよな」
「そんなこと言ったって、仕方ないじゃない……」
私だって頑張っているけれど、やっぱりずっと鍛えてきたゴルガスさんや魔法が使えるアルマさん、エルマさんにはかないません。
「勇者の加護ってなんなの?もしかして勇者のお墓にお参りしたら、勇者の特殊なパワーとかがもらえる?」
「うーん、まあ巡礼みたいなものだからなあ。心構えが得られる?」
心構え……。
「墓所には初代勇者の使った聖剣が収められているとかいう話じゃなかったのか?」
ゴルガスさん、ナイス情報!
「聖剣ねぇ」
「なによ魔王、なんか言いたそうじゃない」
「いや、初代勇者はなぁ、ちょっと特殊というか」
「特殊って、どういうこと?」
「要するに神様みたいなものなんだよ……当時の魔界の住人たちに蹂躙されていた地上界を見かねた天界のやつが地上に降臨したってやつ」
「へー……あれ?お墓があるってことは神様なのに死んじゃったってこと?」
「天界から降臨するってことは、受肉って言って簡単に言えば人間になるってことだからな。そうなるとあとは死ぬしか天界に戻る術はなくなる」
そうなんだ……。
「そういえば初代勇者と魔王は戦ったことがあるんだよね?どんな感じの人だったの?」
「俺、初代とは戦ってないよ」
あれ?そうなんだ。
「じゃあ魔王って二代目?戦ったのは魔王のお父さん?」
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