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勇者戸希乃を信じてほしい
第五話
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うですか魔法使いさん、私を勇者と認めてくださいますか?」

「こんな無茶苦茶なのが認められるかい……というかあんた、魔王ってなんのことだい?」

「あう、それはちょっと説明がめんどくさいのですが……」

 私は魔法使いのおばあさん……アルマさんに経緯を説明します。かくかくしかじか。

「こいつが魔王だって?」

 ですよね。びっくりですよね。テンプレ反応しちゃいますよね。

「ふーん、道理で」

 え、何それ?何を納得したの?

「……ああ、そういうことかい」

 あれ、もしかしてまた魔王が私に聞こえないように話してますか?
 仲間外れみたいで、戸希乃《ときの》ちゃん、いやだなー、悲しいなー。

「お前、ほんとブツブツうるさいな」

「魔王、もっと私のことをちゃんとみて、ちゃんと話そうよ」

「なんだその破局寸前のカップルみたいなのは」

 え、カップル?
 いやそんなー。
 まだ私たち出会ったばっかりじゃないのー。

「また気持ち悪い感じになっている勇者は置いといて」

 魔王ひどい。

「アルマは仲間になってくれるってことでいいんだよな」

「ああ、少しばかり気になることができたんでな」

「え、仲間になるのはエルマちゃんじゃないの?」

「心配せんでもエルマも連れて行くわい。あいつを放し飼いにしたら何をしでかすかわからん」

 そんな犬みたいに……。

「待たれよ!」

 あれ、紳士さんどうかしましたか?

「魔王様がお戻りになられぬのなら、私も付いて行くぞ」

 え、魔界のかなり偉いっぽい人みたいだったけど、大丈夫なの?

「なに、お前もくんの?」

「当然です、魔王様」

「そんなこと言ってもなぁ。どうするよ、勇者?」

「どうするって言われても……紳士さんは敵の人ですよねぇ?」

「なに……ついてくるなというのか?」

 ひぃ。
 紳士さんにめっちゃ睨まれました。

「ご……ご自由に……どうぞ……」

「ふん……ではそうさせてもらおう」

 ううう、怖いよう。


「それじゃあ仲間も増えたことだし、自己紹介と行こうぜ」

 マリアさんに抱っこされた魔王が提案します。

「あれ、ここ魔王が仕切るの?」

「別にいいだろ。じゃあ勇者から」

 ええっ、いきなり?

「あ、どうも、勇者です。名前は戸希乃《ときの》です。えーと、がんばります……みたいな?」

 なんかまばらな拍手。

「2番目は俺だな。魔王だ。以上!」

 そんな適当な。

「あんた名前とかないの?」

「魔王は一人しかいないから魔王で十分だからなぁ」

「ふーん……?」

 なんか納得行かない。
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