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勇者戸希乃を信じてほしい
第五話
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んですか!

「これはあれだな。殴り合いして友情が芽生えるやつ」

 魔王も呑気な……。

 ま、魔法使いさんっ!

「どうでもいいけど、ここを誰が片付けてくれるんだい?」

 ……デスヨネー。

「えーと勇者様、彼らを止めた方が良いですか?」

 ああっ、ちっちゃい魔法使いさん!

「お願いします!ぜひ!直ちに!」

「わかりましたー」

 ちっちゃい魔法使いさんは「えいっ」という掛け声とともに自分よりも背の高い杖の先端をゴルガスさんと紳士さんの方に向けました。
 その様子に何かを感じ取ったらしい二人はさっと身をかわします。その瞬間二人の立っていた場所に轟音とともに雷が落ちました。え、雷?マジで!?

 落雷があんまり近かったので、視界は真っ白、耳もキーンとしています。


 しばらくして視力が戻ってくると騒ぎは収まっていました。
 ちっちゃい魔法使いさんをゴルガスさんと紳士さんが取り押さえているのが見えます。

「あのー……大丈夫ですか?」

「誰が!?」
「誰のことを言っている!?」
「私ですかー?」

 ええと、全体的に?

「すまないねぇ、妹は才能はあるけれど、どうにもお馬鹿で」

「あ、魔法使いのおばあさん。それより妹さんは大丈夫……妹!?」

「ああ、あの子は私の妹のエルマだよ。なんだい、自己紹介もしてなかったのかい」

「いえ、おばあさんの……妹?」

「そうだよ。ちなみに私は姉のアルマ。私たちは双子なのさ」

「双子!?」

 いや、片やどう見てもおばあちゃんで、片やどう見ても小学生の低学年ぐらいですよね?

「おばあちゃんと孫の間違いでは……」

「どうやってそれと双子の姉妹を間違えるのさ。私たちは間違いなく双子だよ」

「じゃ、じゃああの子の、エルマちゃんの姿はなんなんですか!?」

「私たち妖精族は精神年齢で外見が決まるからね」

「妖精族 ?」

「ああ、妖精族」

「人間じゃない!?」

「狭義にはまあそうだね」

「じゃあエルマちゃんはロリババァ!?」

「ロリバ……なんだって?」

「なんてことでしょう、じゃあエルマちゃんは未成年にはしてはいけない感じの愛で方をしてもオッケーってこと!?」

「この勇者様は何を言ってるんだい?」

 ちょっと飛ばしすぎたかも。ああ、なんか視線が痛い。

 それはともかくゴルガスさんと紳士さんの殴り合いはなんかいつのまにかうやむやになった感じです。

「で、どうするよ?とりあえず魔法使いの言った相手はなんとかなったようだが」

 突然割り込んでくる魔王。さっきまでは私に聞こえないように話してたのに。

「あ、そうだった。魔王鋭い。ど
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