第四話
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ョコ揺れる杖ととんがり帽子のてっぺんは癒しです。
「さっきから緩みきった顔をして、お前気持ち悪いぞ」
魔王が何を言ったところで、目の前に天使がいるのです。気になりません。
魔法使いの屋敷は、無数の木が寄り集まってできた巨木を中心として、そこから生えた枝やうろを利用していくつもの部屋が組み込まれています。まさにツリーハウス。
私たちは小さな魔法使いさんに案内されて、曲がりくねった階段や廊下を歩いていきます。
まるで迷路みたいな道のりの中、時々見える外の風景から、自分たちがだんだん木を登って行ってるのがわかります。
そしてついにたどり着いたのは寄り集まった木の幹の上に広がった空間でした。
大小の丸太で作ったテーブルと椅子のセットが置かれ、そこに一人の魔法使いのおばあさんがいました。
「ししょー、お連れしましたー」
「ご苦労さん。あんたたちが勇者一行かね。勇者はどいつだい?」
魔法使いのおばあさんはしわがれた声で言いました。
すると周りがいっせいに私を見ます。
……そうでした、私が勇者でした。
私は一歩前に出ます。
「私が……勇者……かも?」
「かもじゃないだろ」
いいから!
「ふーん、あんたが勇者かい」
「あ、はい」
おばあさんは私を値踏みするようにじろじろ見ます。
なんかムズムズする……。
「ずいぶんやせっぽちだねぇ。ちゃんとやっていけるのかい?」
「は、はぁ……」
正直あんまり自信はないです。
「これはまずは実力を証明してもらう必要がありそうだね」
「実力……ですか」
「ああ、腕試しにちょうど良さそうなのがすぐに来るみたいだよ」
おばあさんは上を指さします。
「へ?……なんですか?」
見上げた私の目に映ったのは……真上から落下して迫ってくる黒い煙の塊のようなものでした。
え、なにこれ?イベント戦闘!?
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