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勇者戸希乃を信じてほしい
第四話
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魔法使いを仲間にする、じゃないの?」

「それは短期的な目標だな。最終目標があって、そのために果たすべき目標の一つだ」

「それはわかるけど……」

「じゃあ勇者よ、最終目標はなんだ?」

「魔王を倒すこと……?」

「惜しいけどちょっと違うな。魔王を倒すのはそれによって得られる結果が欲しいからだ。つまり?」

「んー?」

「そりゃあれだろ、魔王軍による人間界侵略を阻止することだろ」

 あ、そうか。ゴルガスさん頭いい。

「まあその辺をきっちり勇者にも認識していてほしかったわけだが」

「むー」

「そう考えると、魔王軍を阻止する方法は一つじゃないかもしれないってことになるわけだ」

 魔王が言ってるのってなんのことだろう?

「わかんない……例えば?」

「そうだなぁ……すでに人間界に入り込んだ連中は仕方ないが、これ以上の増援を阻止するために、ポータルを閉じるって手があるな」

「ポータル?なにそれ?」

「そもそも魔界と人間界は地続きじゃないんだ。だからその間を移動するには魔法によって作られた通路が必要になる。それがポータルだ。そいつを閉じてしまえば問題はおおかた解決するわけさ」

 そこにゴルガスさんが割り込んできました。

「だが、それは間に合うのか?魔物たちがすでにこっちへ現れているってことは、そのポータルは開いているんだろ?」

「それは大丈夫だ。ポータルには大きさがある。今開いているポータルはまだまだ小さなものばかりだからな。小さなポータルでは一部の例外を除いて強力な魔界の住人は通れない。より大きなポータルを開くにはそうした小さなポータルをたくさん開いて、一つにまとめる必要があるんだよ」

 へ、へー。

「なるほど、そいつはどのくらいかかるんだ?」

「俺の命令通りに事が運んでいれば、あと1年はかかるだろうな。今の段階ではまだ先兵が出てきているだけだ。ただそうは言っても、じきにもっと手強い連中が出てくる。時間はそう残されているわけじゃない」

 あー、ゲームで弱いモンスターが最初に現れるのって、そういう仕組みなんだ。

「それに今のサイズのポータルでも通過できるサイズで厄介なやつもいくつかいるから、警戒は怠っちゃだめだな」

 魔王はどっちだろう?
 ……おじいちゃんだったしなぁ。

「厄介なやつっていうと?」

「そうだなぁスライムやミスト系はポータルのサイズにほとんど関係ないから、今の状態でも入ってこれるだろうなぁ」

「え、スライムって雑魚じゃないの?」

「とんでもない!」
「とんでもない!」

 うわ、ハモって突っ込まれた。

「あれは相当厄介だぞ。以前の魔王軍侵攻のときに入り込んだのがこの世界のあちこ
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