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勇者戸希乃を信じてほしい
第四話
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へばったのか?」

「武器も鎧も重すぎるんです!こんなのじゃ一回武器を振るたびに休憩入れないと……」

「いくらなんでもそれは体力がなさすぎだろ。それに敵は待ってくれないぞ」

「そんなこと言ったってー」

「しょうがない。じゃあまずは素振りからだな。10回だ」

「えー……」

 10回目を終える頃にはもうフラフラで、座り込んで呼吸を整えているうちに眠ってしまったようで、次に目を覚ました時にはもう朝になっていました。



 翌朝。

「そう言えばゴルガスさんってお仕事は何してたんですか?すっとついてきちゃって大丈夫だったんですか?」

「お前今になってそれ聞くのか」

「魔王はおだまり」

「俺はもともと流れ者だったからな。あの町でも日雇いの人足で食いつないでた」

 それってフリーター?定職に就いてなかったんだ……。

「まあ勇者様と合流できたし、魔王討伐に成功すれば名も売れるから引く手数多だろうさ」

 うわー、なんて適当な将来設計。
 どう見ても30過ぎのおじさんがそんなことでいいの?

 というかその前に肝心なことが。
 私は膝でくつろいでいる魔王を持ち上げて、ゴルガスさんの前に突き出します。

「ゴルガスさん、これが魔王だってわかってます?」

「ああ、知ってるよ?」

「魔王討伐って、この子と戦うってことですよ。こんな小さな子とほんとに戦えるんですか?ていうか、そもそも戦いになるんですか?」

 するとゴルガスさんは頭をポリポリ掻きながら言います。

「それって勇者様が考えることじゃないのか?」

 えっ?

「いや、もちろん俺も何もかも勇者様に丸投げするつもりはないぜ?ただ基本的な方針は勇者様が考えてくれないとな。もちろん相談されれば知恵も貸すし意見も言うが、俺は勇者様を信じて付いていくんだからな」

 とゴルガスさん。

「まあ確かに、仮にもリーダーだしなぁ。だが戸惑うのもわからなくはないさ。今まで異世界にいて突然召喚されたわけだからな。いきなりリーダーの自覚を持てとか言われたって、そりゃ無理だろう。だから時間をかけても構わないさ」

 と魔王。

 そんな事言われましても……。

 そこへマリアさんがやってきました。

「あらあら皆さん、何か深刻なお話ですか?でも大丈夫。あったかくておいしいものを食べれば良い案も浮かびますよー。というわけで!朝ご飯ができましたよー」

 考えなきゃいけないことは山ほどあるけど、お腹が空いていては考えもまとまりません。
 みんなで朝ご飯を頂くことにしました。



「まず大事なのは、するべきことの確認だな」

 みんなで朝ご飯を食べている最中に魔王が言います。


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