揺籃編
第十七話 負けられない戦いがそこには有る
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。いいだろう。では両名、準備をしたまえ、十分後に開始する」
ざわめきが酷くなった。俺達の編入時の成績はもう皆に知れ渡っているからな…。
「マイク、大丈夫なのか?負けるとは思わんが」
「顔に負けるって書いてあるぜ、バルクマン」
「いや、それは…俺が行くよ」
「いや、いいんだ、あいつは元々気に食わなかったからな。いいチャンスだぜ、へこましてやるよ」
「マイク」
「なんだヤマト」
「あいつ、一年とはいえ首席だからな。気を付けろよ」
「だいじょぶだいじょぶ」
7月30日 自由惑星同盟軍士官学校、戦術講堂 マイケル・ダグラス
さあ、ちゃちゃっとやっちゃいますか…!
「両名とも、以下の設定を入力したまえ。…戦域設定はイゼルローン前哨宙域、ティアマト、ダゴン、ヴァンフリート、エルゴン、アスターテ。双方、艦艇数一万五千隻、練度A。敵発見時は報告せよ。時間経過設定は十分を毎時とする。双方の配置は戦域内にランダムに行われる。自動撤退の設定は残存艦艇数八千隻とせよ。どちらかが自動撤退になった時点で状況終了とする。質問はあるか?無ければ設定入力が終了後、申告せよ」
「…用意よし」
「用意よろしい」
「了解。………始め」
やっと始まったぜ。俺は赤軍か。ここは…ダゴンだな。…ダゴンと言えば包囲殲滅戦か。皆あれをやりたがるよな…でも兵力は同じ。…それでもやるか?まあ、嫌味なやつほどやりたがるよな、こういうのは。せっかくだからここで待ち受けるとするか!
「コンピュータちゃん、五千隻を索敵に回せ。ダゴン星域全方位に索敵だ」
『編成ハ、ドウナサイマスカ?』
…合成音声とはいえ、いい声してんね、コンピュータちゃん。頭もいいしね。
「コンピュータちゃん、編成は任せる。一万隻はダゴン星域中心部に移動、陣形は任せる」
『了解イタシマシタ…五千隻ヲ十二方向二展開サセマス。…推論ノ妨ゲニナリマスノデ不必要ナ語句ノ修飾ハオ止メクダサイ。チャン、ハ、必要ガアリマセン』
「お、おう。分かった」
…コンピュータちゃん、本当に頭いいんだよな…。
7月30日 自由惑星同盟軍士官学校、戦術講堂 ヤマト・ウィンチェスター
「ヤマト…マイクの奴、大丈夫かな。一時間経ったから、シミュレーション上は六時間経った事になるけど」
「スクリーンに戦況が写し出されるのは敵発見後らしいからな。まあ大丈夫だろ。しかし暇だな…」
「なんでそんなに落ち着いてられるんだよ?どう見ても嫌がらせの対戦だろこれは!俺達は不馴れ、相手は学年は下だけど、首席だぞ?」
「まあ落ち着けよオットー。ほら、オレンジジュース飲むか?」
「いらん!」
「美味しいのに…。オットー、慣れてるって言ったって、あいつは一年だ。たかが三ヶ月のハンデだぞ?フォークが士官学
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