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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
揺籃編
第十七話 負けられない戦いがそこには有る
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暇つぶしに丁度良かった」そうだ。
確かにそうだが、他にもやることあっただろ!

 「これはこれは、将官推薦のバルクマン先輩ではありませんか」
「ふ、フォーク候補生…」
「対戦があるかも知れませんね、そのときはお手柔らかにお願いしますよ」
「お、おう」
くそっ…。
「どうしたオットー」
「ヤマト…」
「フォークの奴になんか言われたか?」
「いや、ちょっとな…」
「対戦相手なんて分かりゃしないんだから、大丈夫だよ。ほら、教官来たぞ」



7月30日 バーラト星系、ハイネセン、テルヌーゼン市、自由惑星同盟軍士官学校、
戦術講堂 ヤマト・ウィンチェスター

 あれは…ドーソンか?間違いない、ドーソンだ。まだ大佐なのか…。それにチュン・ウー・チェンじゃないか!中々銀英伝らしくなってきたぞ…。
「気ヲ付ケ!」
一年から三年までが一斉に立ち上がる。今日のシミュレーションは戦研科全学年の五分の一が参加している。
「…着席してよろしい」
皆が一斉に座る。
「本日の講義は戦術分析演習、シミュレーションだが、趣向を変える。本来対戦相手は指名禁止、姓名は明かさないのが原則だが、候補生一年のフォーク候補生のたっての希望により、対戦相手を指名して行う。今日はこの一戦のみ行い、他の候補生諸君は見学とする。見学者の講堂の出入りは自由、フリードリンクだ。だが早飯は許さんぞ!…見学者は自分が指揮官なら、参謀ならどうするかを考えながら見学するように。フォーク候補生、対戦相手を指名してよろしい」
げ!ドーソンのやつ、フォークの煽りに乗ったな?あいつの事だから、俺達の誰かを指名してくるに決まってる、参ったな…いきなり洗礼とは。
しかしフォークの奴、相当自信あるんだろうな。負けたらどうするんだろうか?

 「そうですね…先日中途編入された候補生二年の方々がいましたよね、ドーソン教官?」
「ふむ、確かに居たな…うん、うん。五十年ぶりの将官推薦者の三名の事かね?」
「え!将官推薦の方々だったのですか!?ということは実力も確かなはず…ですよね?教官」
「うん、うん。そうだろうな。彼等を指名するのかね、フォーク候補生」
「はい、三人のうちどなたでも結構です。是非ご教授して頂きたいものです」
「…とフォーク候補生は言っているが…バルクマン候補生、ダグラス候補生、ウィンチェスター候補生」
「はい」
「はい」
「はい」
「可愛い後輩のたっての希望だ、どうか受け入れてやってはくれないだろうか」
さすがに周りもざわついているな。完璧な出来レースじゃねえか。負けられない戦いがそこにはある、なんてよく言ったもんだ。
「挙手がないのならこちらから指名するが……姓名順で…バルクマン候補生、いいかね?」
「いえ、私がいきます」
「ダグラス候補生か
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