第6話
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なるべく心配しないように明るく振舞ってはいても、琴音は未だ不安そうな顔をする。そんな琴音の顔は、見てて気持ちいいものじゃない。
だから俺は、彼女の不安を和らげたくて、琴音の頭をそっと撫でた。
「大丈夫だよ。必ず帰ってくるから」
「・・・・・・うん」
「行ってくる」
琴音にそう声をかけ、俺は琴音の家を出る。
以前とは大きく異なった環境。放浪者として旅していた時とは違い、街の人々に自分がアナザーライダーである事を周知されている。コレからは、そんな蔑むような憎悪の視線を常に浴びせられながら、身を粉にしてレジスタンスと共に戦う事になる。
そんなコレからに足が震えそうになるも、辛うじて堪え、息を大きく吸い、吐く。
「・・・・・・よし」
意を決して、俺はレジスタンスの基地へと向かう為に足を踏み出す。
「ココで、あってるよな」
ジュンイチロウさんに手渡された地図を元に、街の人々から時折非難の視線を浴びせられるも、何とかアジトへと辿り着く。
アジトの壁は至る所にヒビが入り、所々に銃弾の跡が残っているが、その光景は逆に、俺がこの街へ来るまでアナザーライダーの襲撃やどさくさに紛れて行われるテロを凌ぎきっている勲章の証でもある。
そんな感想を抱きながらアジトの入口に掛けられた暖簾を潜ると、軍服に身を包んだレジスタンスの隊員全員の視線が自身に向けられる。
「・・・・・・君が、アラタ君。だな?」
レジスタンス達の鋭い視線をヒシヒシと感じていると、中央に座る髭を生やし帽子を被った壮年こと、ジュンイチロウに声を掛けられる。
ジュンイチロウの問いに俺は無言で頷くと、ジュンイチロウは机の向かい側に置かれている椅子に座れと促してくる。俺はそれに従い椅子へと向かう中でも、周りの鋭い視線は向けられたままだ。そんな状態のまま、俺は促された椅子には座らず、その場に留まる。
「・・・・・・座った方が楽じゃないかね?」
「いえ、お構いなく」
そうか、とだけ呟くと改めてジュンイチロウは俺に向き直る。
「ようこそ、アラタ君。 我々はレジスタンス。世界を取り戻す為に選りすぐりの人間で結成した組織だ。我々は君を歓迎しよう」
「・・・・・・うっす」
俺の素っ気ない反応が癪に触ったのか、隊員に1人が食ってかかろうとするが、ジュンイチロウさんが手のみでそれを制する。
「・・・・・・改めて、私は常磐ジュンイチロウ。このレジスタンスのリーダーであり、君が配属される第一小隊の隊長だ」
ジュンイチロウさんが名乗った所で、ジュンイチロウさんの隣に座っていた眼鏡を掛けた青年が、口をつけていたコーヒーカップを机に置き、淡々と言葉を発する。
「第一
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