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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
外伝〜北の再会〜前篇
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同日、AM9:00――――――

トワ達がクロスベルに到着していたその頃、リィン達はメンフィル帝国軍によるある軍事作戦を行う為にグロリアスである場所に向かっていて、リィン達はリィン隊のメンバーを集めて作戦前のブリーフィングを行っていた。

〜グロリアス・ブリーフィングルーム〜

「”ノーザンブリア自治州制圧作戦”ですか………1度目の”ユミル襲撃”の件で、メンフィル帝国がノーザンブリア自治州政府がメンフィル帝国政府の”命令”に従わなければノーザンブリア自治州に侵略する事は想定していましたが………何故、焦土作戦による被害を受けたクロイツェン州の復興の為にエレボニア帝国征伐を一時中断しているこのタイミングで?」
リィン達からこれから行う軍事作戦名を聞かされたアルティナは自身の疑問を口にした。
「むしろ、”このタイミング”だからこそ、エレボニア帝国政府に対して更なる圧力をかけられるからとの事です。」
「え…………それはどういう事なんでしょうか?」
アルティナの疑問に対して答えたステラの説明が気になったエリスは不思議そうな表情で訊ねた。
「考えてもみろよ。エレボニアの政府の連中が”焦土作戦”を行った理由はメンフィル・クロスベル連合(俺達)の足止めの為だったんだぜ?それなのにも関わらず、メンフィル・クロスベル連合がクロイツェン州の復興の為に足止めされていながらも俺達が別の軍事作戦を行った事を知ったエレボニア帝国政府の連中はどう感じると思う?」
「………”メンフィル・クロスベル連合にとって焦土作戦は何の意味も無く、それどころか焦土作戦の被害を受けたクロイツェン州の復興をしながらも別の軍事作戦を行える余力がある事”をエレボニア帝国政府に思わせる事で、政府に”焦り”等を感じさせる事で政府内を主戦派と和解派に分裂させて、政府の連携を取りにくくする為――――――いえ、まさか主戦派の筆頭であるオズボーン宰相を失脚させる為の”圧力”なんですか……!?」
フォルデの問いかけに対して少しの間考え込んだ後ある仮説をたてたクルトは驚きの表情でリィン達に確認し
「ああ。とはいっても、政府内に和解派で有力な人物はいない為オズボーン宰相を失脚させる為に政府内に派閥闘争が起こる件についてはメンフィル・クロスベル連合は正直全く期待していないそうだけどな。」
「メンフィル・クロスベル連合との戦争を反対していたレーグニッツ知事閣下が失脚していなければ、”ゼロではなく非常に低い可能性に発展する事”も考えられたでしょうね…………――――――それはともかく、今回の軍事作戦を行う事でノーザンブリアと隣接しているエレボニア帝国の領土――――――”ジュライ特区”に侵攻する為の拠点になる上エレボニア帝国政府に第二、第三の”焦土作戦を行わせないようにする為の牽制”にもなりますわ。」

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