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おっちょこちょいのかよちゃん
43 始まった夏休み
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は奏子の方が答えた。
(まあ、折角だから皆で楽しく帰るか・・・)
 三河口はそう思い、集団で帰る事にした。
「ところで、皆はバスかい?歩きかい?」
「ああ、バスすげえ混むと思うから歩きだよ」
「そうか」
 一同は歩いてそれぞれの帰路へ向かった。

 高台の秘密基地でもブー太郎達は帰る事にした。
「それじゃ、またなブー!」
「おう、じゃあな!」

 終業式の日となった。かよ子達は体育館にて校長の話を聞いていた。どの児童もこんな暑苦しい季節なのだから、そんなにぐだぐだ長く話さないでいいだろうと思った。25分以上経ち、ようやく話が終わった。それぞれのクラスの教室に残り、夏休みの宿題や、過ごし方について注意事項などの説明が続き、ようやく帰れるのだ。かよ子は不必要になった物は前の日から少しずつ持ち帰っていたのだが、まる子はそれを怠っていたので大変な下校であった。何しろ抱えきれぬ程の大量の荷物なのだから。
「ああ、ええ、重い・・・」
「まるちゃん、手伝うよ!」
「私も・・・」
「私も・・・」
 かよ子はたまえ、とし子と共にまる子の荷物を一部持つ事にした。
「たまちゃん、とし子ちゃん、かよちゃん、ごめん・・・」
 まる子の家の前まで荷物を持っていき、後はそれぞれの家へと帰っていった。
「はあ、少し遅くなっちゃったよ・・・」
 かよ子は空腹だった。終業式の日は午前のみのため、給食はない。(テスト返却の時から、午前授業となっていた為、必然である。)ちなみにクラスメイトで食べる事に命を掛けている小杉太(こすぎふとし)は給食がなくて不満がっていた。
「た、只今・・・」
「あら、遅かったわね」
「うん、まるちゃんが荷物をあんまり持ち帰ってなかったから手伝ってたの」
「そうなのね。まあいいわ。ご飯できてるわよ」
「うん、ありがとう」

 パレスチナの日本赤軍本部。丸岡は広島で手にして持ち帰った剣を房子に差し出していた。
「杖の時とは違って今度はきっちり奪えたのね」
「はい」
「それで、これはどうするんですか?」
「『あの世界』に預けるのよ。全ての物が揃った時、その世界と我々の能力(ちから)に大いなる力が得られるの。今の日本を変えられるくらいにね」
 房子は異世界との出入り口である混沌の穴に剣を授けた。
「レーニン様、これが貴方の敵の世界の物であり、この世界を変える力を持つ剣です」
「ほう、重信房子、これであと杯、護符、杖が来れば、我が世界は理想を叶えられる。あと三つ、急げよ」
「はい」
 出入り口の向こうの声の主は剣を吸い取るように貰った。

 夏休みも数日経ち、東京に住む一人の少女・安藤りえが荷造りをしていた。
(いよいよ明日ね・・・)
 りえは親戚のおばあさんが住むという静岡・清水へ行く予定でいたの
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