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提督はBarにいる。
艦娘とスイーツと提督と・47
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通とか……可愛すぎて逆にムラムラしてくるんだが。

「あ〜、まぁ昔からの癖というか。俺ストレス溜まって来ると無性に料理とかしたくなっちまうんだよな」

「そうなんですか?」

「あぁ、絡まれたくもねぇ奴等に絡まれて、そんでもって降りかかる火の粉を払う為に無駄に疲れて余計にムシャクシャしてな」

 よくヤンキーだのチンピラの中には人を殴ってストレス解消!なんてクズがいるが、俺にとっちゃあ疲れるだけで面倒な事だ。だがストレスの捌け口に料理とか洗い物とか、家事をすると落ち着くんだよな、何故か。

「だからよ、店やってるのも普段のやりたくもねぇ書類仕事のストレスを晴らす為にやってんだ。止めろと言われたら多分俺パンクするぜ?」

「そうですか……なら、やめさせられませんね」

 半分呆れたように溜め息を漏らす神通。

「それを言ったら、お前だって働き過ぎだぞ?神通」

「そ、そうでしょうか……?」

「休憩時間すら無駄な時間だって、こうしてミーティングしてるのがいい証拠だ」

 完全にワーカホリックだ。

「そんなんだから姉と妹に余計な心配かけさせんだよ」

「……でも、不安なんですよ。幾ら自分や仲間を鍛えても」

「不安?何が」

「それは……」

 そこで言い澱む神通。これも悪い癖だな、こいつの。

「溜め込むな、神通。俺ぁ現場で一緒に戦ってやる事は出来んが、こうして悩みを聞いてやる位は出来る……っつーか、させてくれ。悩みや不安だって、打ち明けりゃあ少しは楽になるかもしれんぜ?」

「ーー提督は、艦であった頃の私が沈んだ海戦の事を知っておられますか?」

「当然だろ。コロンバンガラ島沖海戦……『神通』の名前を世界に知らしめた海戦だ」





 昭和18年7月12日夜、敵艦隊を発見した神通は探照灯を照射しつつ射撃。当然ながら敵艦隊から見れば格好の的であり、神通は軽巡3隻から2,600発余りの砲撃を受けて大破。しかし大破炎上しながらも魚雷7本を含めて反撃。後続の駆逐艦による雷撃も含めて敵軽巡3隻及び駆逐艦2隻を大破、駆逐艦1隻を撃沈するという凄まじい戦いをみせた。大破炎上の後に大爆発を起こし、船体が真っ二つになってからも生き残った砲で敵艦に砲撃を加えていたというのだから、『神通』もその乗組員も、勝利に賭ける執念はスゲェと思わず感心したもんだ。

「あの海戦の結果だけを見れば、確かに大勝利でしょう。ですが……結局私はその海戦で沈み、乗組員も運命を共にしました」

「艦娘になって、自分がこうして『生命』を持って初めてその尊さや温かさを知ったと同時に……怖くなったんです」

「神通、お前」

「自分の命も、仲間の命も、全て尊くて、大切で……喪うのが怖いんです。今も」

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