暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第8章:拓かれる可能性
第236話「振るえ、英雄の力」
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も送った言葉だが……“イメージするのは常に最強の自分”だ」

「ッ……!ああ!!」

 そして、幻覚とも思えた二人は跡形もなく消え去る。
 一瞬、本当に幻覚を見ていたのかと、帝は思ったが……

〈ようやく、戻ってきましたか。マスター〉

「……エア。今のは、もしかして……」

〈私はこれでもマスターに合わせて生まれた存在です。内に存在するかの二人の意識を呼び起こす事ぐらい、訳ありません〉

「……助かったぞ、エア」

 問答も感謝も短く済ませ、帝は敵を見据える。
 その姿は、最早先程まで打ちひしがれていた帝とは大違いだ。

「っづ……!」

 ちょうど、そこへ優奈が吹き飛んでくる。
 そして、その優奈を追撃しようと“天使”が迫り……

「させるかよ!!」

 帝による大量の剣群が突き刺さった。

「ぇ……?」

「これ以上、そいつに手を出させねぇ!!

「帝!?」

 帝の叫びと共に、怒涛の武器群が射出される。
 その様子に最も驚いたのは優奈だ。

「今まで怯えていた男が、何を今更……!」

「うるせぇ!!」

「なっ……!?」

 王の財宝による砲門が最大数展開される。
 だが、装填された武器はそれだけじゃない。
 その展開した武器を投影し、二倍……否、無数に複製していく。

「無駄だ!」

「っ、それがどうした!!」

 量ではどうにもならない質。
 そのような理力がぶつけられ、武器群は叩き落とされる。
 しかし、帝はそれでも武器を飛ばす。
 無数に、際限なく、絶対に譲れないモノのために。

「優奈ぁっ!!」

「っ……まったく、これだから“人”っていうのは……!」

 さらに王の財宝から“天の鎖”を繰り出し、“天使”達を拘束する。
 “神性が強ければ強い程拘束力を増す”という効果は、神界でも通用する。
 今この場で神性がないのは帝と優奈だけだ。
 神界の存在であれば、須らくその効果を発揮する。

「この……!」

「だから、信じるのを止められないんだよね……!」

 拘束のおかげで、優奈は防戦一方な状態から抜け出す。
 それだけでなく、鎖を足場に立体的機動を行い、一気に“天使”を斬っていく。

「ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 帝は止まらない。
 白兵戦で勝てないのであれば、無理矢理量で勝つ。
 ギルガメッシュとエミヤの力であれば、決して量で負ける事はない。
 そして、質も低い訳ではなかった。

「この……!鬱陶しい!」

「おっ、らぁっ!!」

 巨大な剣の宝具が振るわれる。
 無数の武器群を落としながらもそれを理力で“天使”は防ぐ。

「隙あり」


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