第一章 モビルスーツ
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いつ?」
「近々に」
キシリア機関に属する機密工作員ハインツ・モーゼルはハイジの耳元で囁くと、彼女の少し小振り乳房を揉みしだいた。
「あぁん……」
ハイジは軽く喘ぎ声を溢した。
ハインツはハイジの唇に自分の唇を近寄せ、濃密なキスを交わした。そして二人は肉体を重ね合わせた。
劣情の嵐が去ったあと、ハインツの腕枕でベッドに横になるハイジは彼の横顔を見詰めながら訊ねる。
「連邦との開戦は回避出来そうもないの……?」
「上層部は既にヤルと決めている。そっちの方はどうなっている?」
ハインツはハイジの質問に答えると逆に質問して来た。
「そっちの方って……」
ハイジは意味あり気な笑みを浮かべた。
「例の件だよ」
「……上手くいきそう。次のプレゼンで結果が出ると思う」
「そうか」
頷くとハインツはもう一度ハイジの抱き寄せ、二人は再び交わった。
避妊のためのアフターピルを飲むと、ハイジは身体に纏わりついた汗と体液をシャワーで洗い流した。
翌朝、二人はトーストとベーコンエッグ、そしてスムージーだけの簡単な朝食を摂った。
恋人を送り出したあとハイジは、宛がわれたジオン国防軍の軍服に袖を通し、ズムシティのコンドミニアムの自室を出た。向かう先はドッキングベイだ。ここから連絡シャトルに搭乗して更に別のスペースコロニーに移動するのだ。
シャトルの出港時間まで、まだ間がある。ハイジは搭乗手続きを済ませロビーで寛いでいた。そこにガイアとその仲間が現れた。今日は四人だった。
生理的に受けつけないガイアの顔を見た途端、ハイジは露骨に顔を顰め小さくかぶりを振った。だが、しかし、ガイアと一緒に歩く見知らぬ男性の方に彼女の関心は移った。
「横、宜しいでしょう、お嬢さん」とその青年が声を掛けた。
「ええ」
ハイジは小さく頷いた。
「あの失礼ですがあなたは……?」
ハイジが訊ねる。
「クワトロ・バジーナと申します」
「クワトロさん、ですか……」
「はい」
クワトロと名乗ったその長身の男は唇の端に薄笑いを浮かべた。
咳払いをしたあと、ガイアが口を開いた。
「フリートハイムさん。こちらのバジーナさんは連邦の……」
「連邦?」
ハイジは上擦った声を上げた。
「あなたと同じですよ、フリートハイム特務将校殿」
「つまり……」
「軍属です。アナハイム社から出向した……表面上はね」
「表面上とは……」
ハイジはその言葉の意味を考えた。
その上で結論に至った。つまり目の前で会話を交わすこの金髪長身の男も、自分の恋人ハインツ・モーゼルと同じキシリア機関所属する工作員、あるいはエージェントに近い存在であるに違いないと思った。女狐、キリシアが連邦の動向を探るため、送り込んだ人物なのだ。そういう彼女自身もキシ
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