幕間の断片
語られない幕間-1
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ally! Finally!》
「ギンガ」という文字が顔に刻まれ、変身シークエンスが完了する。
フラフラと立ち上がる敵を見据えながら、『平成仮面ライダー』が1人、「仮面ライダーウォズ ギンガファイナリー」は敵陣へと飛び込んでいった。
ーーー
──地獄を見た。
その世界は、まっさらで、平坦だった。
──地獄を見た。
その世界には、人も、建物も、兵器もなく。有象無象の全てが瓦礫とかし、死体が無残に野良へ放逐されている。
その光景は、俺が知っているよりもずっと酷く、色褪せ、擦り切れていた。
その中で、生き残りであろう人間が、異形を殺さんと、武器を取り、兵器を操り、襲いかかる。
『・・・・・・っ』
異形はそれを、腕を振るうだけで薙ぎ払う。 周囲全てを巻き込んで爆発を起こし、吹き飛ばし、生命を奪っていく。戦いというには、余りにも一方的だった。
・・・・・・地獄を、見た。
時計の針が折れてしまったかのような世界。その世界の大地で俺は、玉座に座っている異形と相対していた。
相反する顔、異形達のツギハギの身体。ただ俺を見つめるように玉座に鎮座しているだけなのに、身体が恐怖に支配されるかのように、勝手に膝を屈してしまう。
あれは絶対に勝てない、そう思ってしまう程には、あの異形の威圧感は凄まじかった。
玉座に座る異形の上半身から上は影に覆われおり、全貌は見えなかった。だけど、あまりにも情報や状況が見えない中でも、不思議と何となく分かることがあった。
根拠の無い確信を持ちながら、俺は屈していた足を奮い立たせて問う。
「アンタは?」
そう言うと、異形は少し間を置いて玉座を降り始める。長い、長い階段を降りていき、俺と同じ地へと降り、異形は変身を解く。 そこには、窶れた男が立っていた。 服は黒いパーカーを羽織っただけで、殆ど上裸。しかしそこや顔元から薄らと見える痛ましい傷跡が見える。一体、どれ程の研鑽と戦いの果てに男はこう成り果ててしまったのだろう。
『・・・・・・さあ、自分が誰だったかすら、もう忘れてしまったよ』
男は寂しそうに、自嘲するような笑みを浮かべて、己を皮肉り、蔑み、嗤う。俺は男の言葉に対して何も言えず、ただ口篭る。男は、なお続ける。
「オレは、正義のヒーローに憧れてた」
男は、誰に頼まれたわけでもなく、自分のことを語り始める。
「それは空想上の、造られた物だったけれど、そんなヒーロー達から私は多くの事を学んだよ」
男は懐かしそうに尚も語る。
「そんなある日、私は力を手に入れた。ヒーローになれる力さ。自分の好奇心と誘惑に負けてね。不純だろ?・・・・・・それでも、その力で
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