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提督はBarにいる。
艦娘とスイーツと提督と・46
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況は正にヴァルハラと言っても過言ではないかも知れん。

「そんな時にね、お酒を飲むんだ。酔うと気分が明るくなるし、嫌な事もその間だけでも忘れられる。そうすれば明日からでも戦えるんだ」

「成る程、頼りきりな俺が言う話じゃねぇが……確かに必要だな」

「でしょ?それに、同志提督だって必要だよ」

「そうか?」

「そうさ。提督の料理やお菓子、とっても美味しいんだ。また食べたいって思えば頑張って生き残ろうって思えるのさ!」

「そりゃまた、何とも現金な話だな」

 俺の飯が未練で、万が一轟沈しても化けて出てくるコイツら。

「でも、やっぱり皆同志の事が好きだからこうして同志の下に集うのさ!」

「飯やオヤツ目当てにか?」

「そうだよ……ってもう!折角いい雰囲気の話にしようとしてたのに」

 タシュケントも随分と日本文化に馴染んできたらしい。切れ味のいい、素晴らしいノリツッコミだった。

「カカカ、まぁいいさ。人間現金な位な方が意地汚く生き残るからな」

 ウチの所属の連中には口が酸っぱくなるほど言い聞かせてきたが、潔い死に方なんて糞喰らえだ。例え絶望的な状況でも、最後の最後まで足掻け。足掻けば少ない確率でも何かが起こる可能性は産まれるのだから。可能性が低いという事は、ゼロではないのだ。

「はぁ……なんかお腹空いてきちゃったな。提督、シベリアのお代わり貰えるかい?」

「あいよ」




 少し重苦しい話をした1時間後、観ていた映画がエンディングを迎える。

「いやぁ、面白かった!実際に空母の娘達が使っている飛行機が出てきたりすると見方が変わるね」

「確かにな。まぁ、ウチの鎮守府じゃあもう九六式やら21型なんてほとんど使ってねぇけどな」

「それでも、だよ」

「まぁ、後は出来たばかりの鳳翔が出てきたのは印象的だったな」

「え?ホーショーさん?どこに映ってた?」

「映ってたもなにも、劇中に出てきた空母、ありゃ鳳翔だぞ?」

「ええぇ!そうだったの!?」

「そりゃな、帝国海軍初の航空母艦だぞ?艦載機の黎明期なら当然だろ」

「そっかぁ……そうだよね。艦娘の姿でしか知らないから気付かなかったよ」

 ガックリと肩を落とすタシュケントが、ちょっと面白かった。後日、鳳翔にこの映画の話をした所『む、昔の私を見られている様で恥ずかしいです……』と頬を染めてモジモジしていた。かわいい。

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