第一物語・前半-未来会議編-
第十三章 抗いの行く先《3》
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いる黄森の記録隊により撮られているもので、一般向けにも放送されている。
日来の長が負ければ、日来住民は素直に監視され続ける可能性がある。もし宇天の隊長が負ければ、辰ノ大花にこれを交渉材料に出来というわけだ。
何せ皆が見てるんだからね。
主戦力の中の主戦力は違うな、と思う。
映画面を見ながら、雨のなかの戦いを顔を上げ見る。
撮影が二人の動きに追いついて行けてなく、まともに戦いの様子が確認出来ないからだ。
今の状況は、宇天の隊長が宙に浮いているところだ。
「攻撃を受けに行くと見せかけて、流魔線を繋げたね」
「流魔操作は自身の内部流魔を使い、別のものへと流魔線と呼ばれる糸を繋ぎ、操り人形のように操る準禁忌の技の筈だがな」
コンテナの上に立っているレヴァーシンクに対し、その下、オールバックの少年アストローゼは言う。
その左横には、補佐のニチアがいる。
アストローゼの言葉に、レヴァーシンクは続けた。
「体を構成するために必要な内部流魔を使うからね。使い過ぎれば体に悪影響を及ぼすけど、人類には内部流魔の回復速度が異常に早い者がいる」
「それがセーランなのだろう?」
そうだよ、と言う。
そのセーランは今、宙に浮く宇天隊長の下にいる。
「流魔線張り付けて宙に放り投げたんだね」
「空中ならば身動きは取れないからな」
「この戦い勝てると思う?」
その問いに仲間は答えない。
レヴァーシンクは、目を動かし仲間達の様子を確認していた。
そう、もう答えは決まっている。
「愚問だったね、皆、勝てると信じてる」
だから、
「勝たないといけないんだからね」
それに答えるかのように、目の前にいるセーランは動いた。
落ちてくる宇天の隊長に対して、繋げた流魔線を引っ張り加速をつけた。
落下してくる彼女に打撃を与えるつもりだ。
●
空へと上がった実之芽は、一瞬何が起きたか理解出来なかった。
目の前にいた日来長に、右の拳による攻撃を与えようとし、それに反応したあちらはこちらに迫って来たのだ。
普通なら、強化系術を展開した自分が勝つ筈だった。
だが、そんな自分が宙に放り投げられたのだ。
十数メートルまで上がった体は、重力を無視して空へと向かう。
それがピークに達したときに、把握出来た。
流魔操作だ。
流魔操作はそのままの意味だ。流魔を操作する、または流魔による操作だ。
前者の方がよく知られている。自身の内部流魔を用い、物を作り出す技だ。
後者は前者よりかは有名ではない。それは単なる流魔線によるものの操作だからだ。
自分は後者により、宙に放り出されたのだ。
成程、攻撃を受けに行ったと思い込ませ、本当のの狙いは流魔線を私と繋ぐことだったのね。
自分が着ている
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