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レーヴァティン
第百四十五話 港町からその九

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「どうだ」
「全然考えられないな」
「そうだな」
「柳田選手は外野手、センターとして優秀だからか」
「センターで使うとだ」
 このポジションならばというのだ。
「最高の選手になるが」
「キャッチャーだとか」
「実際についたことがないとわからないが」
「あまり考えられないな」
「そうだな」
「ああ、それだけ適材適所は大事だな」
「そうだ、人を有能な働き者か有能な怠け者にするにはな」
 それはというのだ。
「まさにだ」
「適材適所か」
「それ次第だ、だが」
「その四つにも入らない奴がいるな」
「ゼークトは適材適所とこのことは言わなかった」
「そうだよな、今話しているみたいなどうしようもないな」
「屑も世の中にはいる」
 真の意味で誰のそして何の役にも立たない輩がいるというのだ。
「こんな奴は敵に送ってしまえばいい」
「こっちが雇ったら駄目だな」
「テロ組織がテロを行い多くの人が犠牲になった」
 正はここでまた例えを出したがこの例えは現実のものでもあることは言うまでもない。彼等が起きた世界ではままにして起こることになってしまっているからだ。
「その話について俺は権力に反対するのならいいと言う奴はどう思う」
「権力に反対するならテロで人殺してもいいって言うんだな」
「そういう理屈だ」
「それで殺された関係ない人の命や遺族の人達の悲しみもか」
「全く気に留めない」
「そう言い切ったのと同じだな」
「こんな奴もわかるな」
「ああ、屑だな」
 久志は眉を顰めさせて言い切った。
「どうしようもない」
「そうだな」
「そんな奴でも親いるよな」
「生物学的には人間だからな」
 それならばとだ、正は久志に答えた。
「そうなる」
「そうだよな、親御さん達泣くな」
「自分達の子供がこんなに馬鹿なのかとな」
「自分達はこんな馬鹿な人間を育てたのかとも思ってな」
「そして俺はこいつをある店で見たが」
「どの店だよ」
「大阪の上本町だ、そこにあった店だった」
 正はこう答えた。
「今はもうない」
「潰れたんだな」
「潰れたこととその店員の因果関係はわからないが」
「そんな馬鹿雇うならな」
「さもありなんだな」
「そうだよな」
「つまり屑は雇うなってことね」
 こう言ってきたのは留奈だった。
「結局は」
「どうしようもない奴はな」
「そういうことね」
「本当に世の中生きているだけで害にしかならない奴いるしな」
「もうそんなのはね」
「最初からな」
 まさにというのだ。
「雇わないでな」
「そのうえでやっていくことね」
「そうだよな、しかしな」
「しかし?」
「いや、こうした奴はやっぱり稀だよな」
 まさに生きているだけで害にしかならない様な輩はというのだ。
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