第二十二話「外交戦1」
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す。我が国で開発された、一瞬で演算するための道具です。これを使用すれば、桁の多い掛け算や割り算であっても、一瞬で答えを導き出します。」
「これはありがとうございます。……ほう、結構重たいですね」
渡された計算機を受け取るとその重さに表情を僅かに変える。
「国力の発展には高度な演算が必要不可欠です。演算能力の速さが産業の発展に直結します。我が国では高価な物ですが私的にプレゼントします」
自信満々に言うフィアームに技官のベルーノは頭を抱える。少なくともアルゼンチン帝国は我が国より高度な演算能力をゆうしていることを先ほどの映像が察していたためだ。
「……確かに我が国でも同じ考えです。こちらをご覧ください」
そう言ってベートルはポケットからスマートフォンを取り出した。
「これは計算だけでなく通話やゲーム、辞書といった機能を有します。無論計算も一秒で一京回計算できます」
その途方もない能力に絶句するフィアーム。しかし、ベートルは次の一手を投下する。
「これほど素晴らしい物をありがとうございます。かつて我が国では計算機を他国から輸入しそれを元に自国で生産しました。なのでこのような骨董品は我が国ではありません。博物館に展示すれば歴史的価値が付くでしょう。ああ、そうそう我が国ではこのスマートフォンの様に軽く持ち運びができる計算機を子供のお小遣い程度で買う事が出来ます。素敵なプレゼントをありがとうございます」
既に外交の戦いは始まっている。フィアームが自国の力を誇示したようにベートルもアルゼンチン帝国の力の一端を見せた。如何に相手に自国の国力を見せ上だと認識させ外交を有利に進めるか。ベートルはそれに従い行動下に過ぎなかった。
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