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妖精のサイヤ人
第七話:ギリギリの決勝戦!咆哮を上げる少年!
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(フゥ…間に合ったわい)


マカロフは準決勝みたいに、しかしその時に張った魔法の障壁よりも数段高い防御力を増す魔法で観客席や外に出ているクロッカス武道会のスタッフたちを守り抜いていた。
そしてラクサスの咆哮で周りの被害をその魔法壁で防いたことにより、怪我人を0へと収めることができたのである。
伊達に聖十大魔道(せいてんだいまどう)の名を背負っていないマカロフ。そして次に試合の様子へ目を向けると、場内にいるのは肩で息をする自身の自慢の孫であるラクサス。
対戦相手であるサイヤ人の少年、ネロはどこにも見当たらず。そして最悪の結末が脳に過り周りを見渡す。そしてどこにもない姿に焦り―――ふと、上空へめを向けると目を大きく見開いた。

最悪の結末が回避されたことに安堵するも、その姿に驚愕する。その少年が纏う魔力の色が?化していることに対して一番に驚きである。

「―――まさか、あの年で…?」

両手を交差して耐えたのだろう顔の前へ持っていた両手を解き、少年―ネロは赤い目から白目へと変わり、纏うそのオーラは白から黄金へと変貌していた。
その姿はまるで戦闘民族に伝わる伝説(・・)に近い姿の少年に、思わず固唾を呑んで見守る。

「…へへ…そう…こなくちゃ…な…」

自身の最大の魔法を防がれたラクサスはまだ無事だったネロの姿に苦笑いに似た笑みを浮かんで上のネロを見つめる。

(もう…魔力がすっからかんだ…体を動かす気力もねェ…どうする…?)

震える指先に力を込めようとするラクサス。しかしうまくいかず。
対しネロは黄金のオーラを身に纏いながら地上へ降り―――そしてオーラが消えた途端に力が尽きたように前へ倒れた。

「……は……?」

目の前の対戦相手が突然倒れたことにより、ラクサスは一瞬呆然とする。
なにせ、まだまだやれると思った相手がもう魔力が少ない自身よりも先に倒れたのから。

「…スタッフ」

「え…あ…!」

呆然と試合の行く末を見守っていたアナウンサーにマカロフは声をかけるとアナウンサーは我に返り、そして自身の仕事を再開する。
といっても、やるのは多くない。
アナウンサーは場内に入り、倒れているネロの状況を確認して―――告げた。
この決勝戦の勝者を。

『えー…ネロ選手、気絶により…決勝戦で勝利を無事、収めたのは―――ラクサス・ドレアー選手!!』

呆気なく終わった決勝戦、だが一番決定づくのは…立っている者と、立っていない者。勝者はずっと場内に立ち尽くしていたラクサス・ドレアー。
これにより、クロッカス武道会の幕は閉じられるのであった。



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