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妖精のサイヤ人
第七話:ギリギリの決勝戦!咆哮を上げる少年!
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クサスは雷を掌から放って妨害しようとするも当たったのはまたもや残像――既に本物はラクサスのすぐ目の前で屈んでおり―顎を狙って勢いをつけて立ち上がり、右拳を振り上げてアッパーを決め込む。

「――ぐぅ…おおおお!」

「…!?な…ぎぃ…!!」

ネロのアッパーをくらったラクサス、しかしそれでも地面から足を離さず、より一層力を込めて踏ん張ってネロに反撃する。
反撃するその拳に魔力を込められることにより、拳に雷が迸りスピードが上がって更に威力の上がったカウンターパンチがネロに回避する時間を与えない速さでその顔面に直撃した。

ネロは読みが足りなかった。いや、戦闘衝動に呑まれないように理性を保つから必死だろうが、ネロは最後まで気づけなかった。
自身の攻撃を受けても、この少年の背は地面に着いてないことに。
通常の10倍に強くなっただろう己の拳をくらっても、この少年が倒れなかったことに。
この少年、ラクサス・ドレアーはサイヤ人である自分よりも頑丈だということに、気づくのに。
そして、その頑丈な拳を更に魔力、雷のパフ付きの一撃はネロを後ろに下がらせる程の威力だったのか、後方に下がった勢いにより、地面についている二足が少し引きずっている跡ができる。

「くぅ……へへ…効いたぜ…少しだけな」

「こっちも効いたなァ…ほんの少しだけ」

「ウソつけよ、オレのパンチで下がってんじゃねえか」

「ハッ…!下がったからって別にそこまで効いたとか関係ねーだろ!」

「それもそうか」

(…え、納得すんの?)

ラクサスの指摘で情けないながらも意地を張るネロ(精神年齢30歳)の苦しい言い訳を納得する眼の前の金髪の少年に少しだけ毒気が抜けたような顔をするも、すぐに引き締めて次の一手に出る。
構えたネロにラクサスは笑みを深めてその瞬間を待つ。まるで自分に効かないということを確信するかのように。

(野郎…マジで効かねえと確信してやがる…マジで10歳か?これ、ギクリよりも化け物じゃねえか)

これほどまでに差が違うのか、とネロは改めて実感した。
もし、自分がパワーアップしていなかったら…おそらく、大猿の力を解放したところで敵わなかっただろう。
今はやっと互角だが…それでも相手の特性の多さで負けている。
雷を纏うことで得られる自分よりも早いスピード、パワー。そして(魔力)の多さに攻撃をくらっても倒れないタフさ。
どれだけやってもまだまだ自分が劣っていることにネロは理解する。

(けど…やっぱりサイヤ人だからかな、すっげえワクワクしている)

前世の一般人の感性を持っていた自分だったら恐怖で竦んでいただろう、しかし今の自分はサイヤ人。
自身の鳥肌が立っているのを
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