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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第23話:魔女と魔法使いの契約
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ら呼びかけると、透は力強く頷きかけた。彼はクリスと共に居る道を選んでくれたのだ。
その事を認識したクリスは、心の中で彼に感謝し同時にフィーネに透をここに置いてくれるよう頼む覚悟を決めた。
恐らくフィーネはかなり難色を示すだろう。それどころかかなり不機嫌になる事が容易に想像できた。
だがもうクリスの心に恐れや迷いは存在しない。透が共に居ると言ってくれた、その事がクリスに勇気を与え、フィーネに物申す決意を促した。
クリスが意を決して部屋から出てエントランスを通り食堂へ向かうと、金髪に金色の瞳の美女ことフィーネが食堂に居た。
クリスが食堂に入ると、彼女に気付いたフィーネがそちらに目を向ける。
「あらクリス、ただいま。出迎えに来てくれたのかしら?」
特に何でもない様子でクリスに話し掛けるフィーネ。
対するクリスは、フィーネの言葉にすぐには返答せず、一呼吸間を置いて覚悟を決めると口を開いた。
「フィーネ! あ、その……頼みが、あるんだ」
「ん? 何かしら?」
クリスの言葉に、フィーネは金色の双眸を向ける。
特に責められている訳でもないのにその眼光に身が竦みそうになるが、透の存在に心を奮い立たせた。
そして遂に、その言葉を口にする。
「あの、ここに置いてほしい奴が居るんだ」
「…………は?」
「透────」
フィーネが怪訝な顔をする前で、クリスが透を呼ぶと扉の向こうで待機していた透がフィーネの前に姿を晒した。
彼の姿を見た瞬間、フィーネは眉間に皺を寄せ圧のある声でクリスに問い掛けた。
「これはどういう事かしら……クリス? 何故ここに部外者の少年が居るの?」
「待ってくれフィーネ!? 話だけでも聞いてくれッ!?」
「えぇ、聞いてあげるわ。聞くだけだけどね……だけれど、その前に――!!」
冷たい殺意を滲ませながら2人に迫るフィーネを、クリスは必死に宥めようとする。
だがそんなことで止まる訳がなく、クリスの頬を引っ叩こうとフィーネが手を上げた。
その瞬間、透が2人の間に割って入った。
自分の前に立ち塞がった透にクリスは目を見開き、フィーネは構うことなくその手を振り下ろした。
結果クリスの代わりに透がフィーネに頬を引っ叩かれる。
かなりの強さで──実際クリスが喰らっていたら間違いなく転倒していた──引っ叩かれた筈だが、透は顔を一瞬明後日の方向に向けただけですぐにフィーネに顔を向けると、力強く彼女の顔を見つめながら頭を下げた。
「へぇ…………一応礼儀は弁えているのね」
「あッ、と、透ッ!? 待ってくれ、ここはアタシが──」
慌てて透の前に出ようとするクリスだったが、彼はそれを手で制してペンとメモ帳を取り出し筆談で
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