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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第23話:魔女と魔法使いの契約
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ますか?」
「こいつは連れて帰る。凄まじい素質を持つ者だ。くれぐれも死なせないようにな?」
「畏まりました」
話し掛けてきたメイジに紫色のメイジ──メデューサは透を託すと、自身は他のメイジを引き連れて武装組織の襲撃に向かった。
「行くぞ。力を存分に振るい、魔法に慣れておけ。いずれ更に大きな敵と戦う事になるのだからな」
その言葉を合図にメイジ達は武装組織に攻撃を仕掛ける。
程無くして怒号と悲鳴、銃声と爆発音が響き渡り、メイジの襲撃を受けた武装組織はそれほど時間を掛ける事もなく壊滅することとなった。
***
〔それから僕は、その連れていかれた先で魔法使いにさせられて、暫くはそこに居たんだ〕
「そっか…………なら、なんでさっきはあそこに?」
その問い掛けに対し、透はすぐに答えることはしなかった。
クリスから顔を背け、思い悩むように顔を顰める彼の様子にクリスは複雑な事情があることを察する。
まぁそもそも、あの状況から今まで音信不通だったこと自体が複雑な事情な気はするが…………。
暫し考え込んだ後、彼は意を決してメモ帳にペンを走らせる。クリスが覗き込む中、透は短く端的に理由を記した。
〔間違ってると思ったから〕
何が、とはクリスは訊ねなかった。
そう記した透の顔に、後悔の色が見えたのだ。
きっと、彼を助けた者達はロクな人間ではなかったのだろう。
だが彼はそんな連中に対して、何か協力するようなことをしてしまったのだ。
彼の性格を知るクリスはそれを察し、それ以上彼に対して詮索することを止めた。
彼女にとって重要なのは透が生きていて、今こうして自分の傍に居る事であった。
だがこの時クリスは気を抜き過ぎていた。
彼女が透の今までの経緯に疑問を持つという事は、透も同様に彼女の今までの経緯に疑問を持つという事である。
案の定、透が今度はクリスのこれまでの事に疑問を持ち問い掛けた。
〔そう言えば、クリスは今までどうしてたの〕
「ッ!?!? え、あ、あたしか? あたしは、その……」
透からの問い掛けに、クリスは言葉に詰まった。当然だ、彼女があれからやって来たことと言えば、とても透に離せる内容ではなかったのだから。
直接手を下していないとは言え、ソロモンの杖を起動させて多くの人を傷付ける要因を作り出した。
また、彼女の主であるフィーネは既に何人も手に掛けている。
その片棒を担いでいるのだ。他者を思いやり、誰かの為に危険を顧みず動ける透とは真逆だ。話せる訳がなかった。
俯き、答えに窮するクリスを透はじっと見つめていた。
それすらも、今のクリスには彼が自分を責めているように思
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