揺籃編
第十四話 エル・ファシルの奇跡(後)
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陥の罪を取らされかねない。脱出の援護に成功しても、それでは結果として部下を見捨る事になってしまう。だから逃げ回らねばならない。なるべく、無様に」
”そうだ、正解だ。そう教えてきたからこそ、私も君を支えて戦うのだ“
「…ありがとうございます。すでに、地上作戦室に残っている作戦参謀のヤン中尉に、避難準備を改めて発令しました。その、教官の目にかなった下士官達がいるのなら、あとは状況を利用して上手くやるでしょう」
“そうだな。……君は私の教え子の中で一番優秀だった。世辞ではないよ、これは”
「……ありがとうございます。今まで、本当にありがとうございました、教官殿」
6月22日12:00 エル・ファシル星系、エル・ファシル、エル・ファシル宇宙港
ヤマト・ウィンチェスター
「ヤン中尉!リンチ司令官が我々を見捨てて逃げ出したというのは本当かね!」
「そうだ!艦隊の護衛もない!これで避難など出来るのか!」
「…本当ですが、慌てないでください。逃げ出した司令官達が敵の目を引き付けてくれますよ」
「き、君は司令官を囮にするというのか?」
「とんでもない。時間差をつけて脱出するだけですよ。さあ準備してください」
「上手くいきそうですね、中尉さん」
「ああ。司令官には申し訳ないが、見捨てて出ていったのは向こうだからね。言葉は悪いが、せいぜい利用させてもらうよ。…サンドイッチ、まだ残ってたかな」
「はい、どうぞ」
「ありがとう。…ンガッ!………ふう、助かった。でも出来ればコーヒーじゃなくて紅茶の方がよかったなあ」
「……」
第2分艦隊主力はダゴンで全滅した。本隊も一旦補給の為にエル・ファシルに戻って来たが、原作の通りリンチ司令官はエル・ファシルを逃げ出した…。
あの時俺にもっと真剣になっていれば本隊を救えたのに。リンチ司令官だってあんな無様に逃げ出さなくて済んだんだ。第2分艦隊だって……。
応えなきゃ。期待に応えるんだ。…アッシュビーの再来か。いいだろう、やってやろうじゃないか。
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