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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
揺籃編
第十四話 エル・ファシルの奇跡(後)
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がお有りのようだ。確かに市長に倒れられても困りますね。どうでしょう、私に同席するというのは。何かあっても一応の処置は出来ると思いますが」
「いいのですか?」
「いいですよ。でも、その緊急な用件というのは、私が聞いても大丈夫な内容ですか?」
「え?ああ、全然大丈夫です!むしろこれからも協力いただけたらなあと思いますが。なあオットー」
「そうですそうです!大歓迎ですよ!」
「…では受付のお嬢さんに訳を話して来ます。多分大丈夫だと思いますよ」
「ありがとうございます!では上官が居ますので、報告して参ります!」
よし!

 「中尉、市長に会えますよ。ロムスキー医師が協力してくれます」
「本当かい?…まさか騙したりはしてないだろうね」
「いえ、本当の事を言っただけです。そしたら協力してくれると。逃したらチャンスはありませんよ」
「…そうだね。では行こうか」
「いえ、我々は外で待っています。警備艦隊司令部主導ですから、ここはヤン中尉にやっていただかないと。我々が行ってしまうと第2分艦隊がでしゃばった事になってしまいますので、後々問題にする方が出てくるかもしれない。そうなると中尉にも迷惑がかかります。それは避けたいのです」
「特に気にする事はない、とも言えないか。ご配慮ありがとう。では行ってくるよ」

 「…お前、役者だなあ…。呆れちゃうよ」
三十年の人生経験プラス十八年を舐めてもらっては困るなオットー。現実社会では結構苦労したんだぜ?
…これで、何とかなるだろう。




6月11日20:00 ティアマト星系外縁部(ダゴン星系方向)、エル・ファシル警備艦隊
旗艦グメイヤ アーサー・リンチ

 「敵、横陣形で寄せてきます!まもなく敵前列が有効射程内に入ります!」
「まだ撃つな!……司令、我が方は全力斉射を続けて来ましたので、各艦ともエネルギー残量に余裕がありません。長射程で撃ち合いますと偏向磁場の展開に支障をきたす艦艇が出る恐れがあります」
「防御出来ずに沈む(ふね)が出る、という事か。…戦艦は前列へ!巡航艦に戦艦の影に隠れながら砲撃させよう。戦艦は防御に専念させる」
「敵C集団、完全に有効射程内に入りました!敵C集団より高熱源、無数に発生!」
「全艦、撃て!」




6月12日09:00 ダゴン星系外縁部(ティアマト星系方向)、エル・ファシル警備艦隊第2分艦隊
旗艦アウストラ セバスチャン・ドッジ

 遂に本隊と合流した。
無惨なものだ、残存兵力六百隻余り。戦艦が一隻もいない。聞くところによると撤退時に殿(しんがり)を勤め、最終的には敵艦を道連れに爆沈する艦が多数出たという。
我々は今、敵の追撃予想進路に機雷を敷設している。二千個では足止めにもならないが、嫌がらせにはなるだろう、何と
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