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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
4-4 隊長失格
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配属され、お前の力になろうと張り切っていた矢先に先日の戦闘でのヘマ…
さくらさんの誘拐とお前の怪我は俺の責任だ。今はゆっくり体を休めて傷を癒してくれ」
加山はそう言って一歩下がり、ジンに前を譲った。ジンも大神の側に寄ると、彼に向けて決意を示した。
「大神さん、さくらのことは僕たちに任せて」
その後、二人はすぐに帝劇を出て、黒之巣会の脇侍工場を探りに向かった。
刹那にさらわれたさくらは、目を覚ました。
目を開けると、暗くジメジメとした場所で、清潔感が見られない。長らく放置された場所のようだ。
両腕に痛みを感じ身動きがとれない。顔を上げると、頑丈な鎖で両腕が縛り付けられていた。
さくらは鎖を振りほどこうともがくが、やはり拘束が解ける気配はなかった。
「無駄無駄。その鎖は黒之巣会の特注品でね、お姉さんの華奢でよわっちぃ力じゃ外れないよ」
不意に声が聞こえ、さくらの中で強く警戒心が高まる。
闇の中から一瞬だけ現れては消え、そしてまた一瞬現れて消えてを繰り返し、さくらの前に鋭利な赤い爪を刃物のように伸ばした小柄な少年が姿を現した。
黒之巣会の死天王、蒼き刹那だ。
「お前は…!」
さくらは目一杯の気迫で刹那を睨み付ける。
「いい目で睨むねぇ。マリア・タチバナの方を狙ってたつもりだったけど、まぁいいさ。感情豊かな子の方が、いたぶりがいありそうだし…その怒った顔が、恐怖と苦痛に歪むのが楽しみだよ」
刹那はさくらの怒りなど、寧ろ楽しんでいた。
軽く浮遊し自分の顔を指先でねちっこく撫でられたさくらは怒りに加え、刹那への生理的とも言える嫌悪感を覚えた。こいつは子供のように見えるが、中身はどす黒い悪党、自分がこの世でもっとも嫌いなタイプだ。
しかし気になることをこいつは口にしていた。
「どうしてマリアさんを狙うの?」
「あのお姉さんの心の醜さを証明するためさ」
面白おかしげに刹那は笑った。
「知ってるかい?あのお姉さん、君たちに隠していることがあるんだ」
「隠していることですって?」
マリアに隠し事、それの存在事態はあまり違和感がなかった。マリアはあまり自分のことを話さないタイプで、弱い一面も全く見せてこなかった。ただ、なぜ刹那が…敵であるこいつがあたかも知ってるような口ぶりなのか。
「君たち帝国華?団とやらは、帝都の平和と正義のために戦っている…何て言ってるけど、マリアお姉さんにはそんなものない。信念も誇りもない、ただ目の前の敵を無目的に殺す…勝つためなら味方も切り捨てられる非道な女だってこと」
さくらは不快感をさらに強く感じた。何を言い出すかと思ったら、マリアがあたかも本性を隠している悪党のように言ってくるとは。
「ふざけないで!お前にマリアさんの何がわかるの!」
「わかるさ、僕は人の心を見ることができるん
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