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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
4-4 隊長失格
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れからまだ目を覚まさない。命に別状はなく、そのうち目を覚ますらしいが、まだその気配は見られなかった。
「思ってみれば、米田さんも結構無茶ぶりかましてきましたよね…」
「さくらさんの命もかかってるからな。そりゃ無茶ぶりでもかましたくなるものさ。それに、俺にとっては今回の任務は嫌でも降りるわけにいかない」
加山もなかなかに今回の米田からの任務は、骨を折るものになるだろうとは予想している。彼の降りられない理由については、ジンも察しが付いていた。刹那による大神の負傷とさくらの誘拐だ。
「俺が刹那に捕まってさえいなければ、あんな結果にならなかった。その罪滅ぼしと言っては何だが、なんとかさくらさんを無事に帝劇へ連れ帰りたい」
「ええ…」
ジンにとっても、無視はできないことだ。さくらは、記憶がないとはいえジンにとってはかつて戦った戦友の一人の忘れ形見と言える存在であり、今のジンにとっても帝国華撃団の一員である彼女はかけがえのない人間の一人だ。加山を身を挺してでも守った大神のためにも何としても取り戻したい。
「おっと、一つ忘れるところだった」
「なんですか?」
「俺が月組隊長であることを知っているのは、米田支配人とあやめさん…月組を除けば他僅か数名。隠密部隊だから、花組をはじめとしたほかの部隊のメンバーには顔は知られていないんだ。当然大神も、俺が月組に配属されていることは知らないし、必要となる時が来るまでは知られるのは避けておきたい。だから、俺が帝劇にいることは内密に頼む」
「わかりました。あ…だとしたらお見舞いはまずかったですか?」
まだ大神に、月組隊長であることを知られたくないのなら、逆に見舞いはしない方がいいことを察したジン。だが加山は首を横に振った。
「いやなに、まだ今のタイミングなら、大神がけがをしたと聞いて駆け付けた、と君が言ってくれれば誤魔化しは通じるさ。少なくとも月組であることをうっかり喋ったりしなければそれでいい」
話をしていると、すぐに大神の部屋の前に来ていた。さっきの会話のこともあって、ジンの方が先に出て、ドアをノックしようとする。
だがその前に、大神の部屋の扉が開いた。もう大神が目を覚ましたのだろうか?そう思ったが違った。
大神の部屋から姿を現したのは、マリアだった。
「あれ、マリアさん?」
「…!…」
マリアは、ジンと加山という来訪者も来ていたことに、やや驚いたように目を見開いたが、すぐにいつもの冷たそうな無表情に戻り、すぐに二人の前から立ち去っていった。
(マリアさんも、見舞いに来ていたのかな?)
不思議に思いながらも扉を開き、大神の部屋に入る二人。まだ眠っている大神以外誰もいなかった。
寝ている大神のベッドに歩み寄ると、加山は苦悶の表情となり、大神への懺悔を口にした。
「大神、済まなかった。同じ組織に
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