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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
4-4 隊長失格
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めた。
「とにかく刹那への対策は、大神が目を見開く覚ましてからじゃないとな。
じゃあ次に…さくらの居場所についての調査はどうなっている?」
マリアについてはそれ以上の追及はせず、刹那のことも大神の復帰後に回すことにし、次にさらわれたさくらについて加山に聞いた。
「現在、活動可能な人数で捜索していますが…まだ…」
「そうか…」
まださらわれて日が浅い。とはいえ、米田にとって戦友の忘れ形見でもあるさくらは一刻も早く取り戻したい。米田は支配人兼司令として構えてはいるが、実際は気が気でなかった。
「ここ最近、多数の脇侍を中心とした怪蒸機事件の件数を考えると、黒之巣会は脇侍の制作のため、帝都及びその周辺地域で脇侍を組み立てるための秘密施設を抱えていると考えられます。刹那はおそらくそれらのいずれかに身を隠し、次の我々との戦闘に備えていると」
「脇侍の工場が、この帝都に…」
これまで脇侍は突如として、どこからか姿を現してきた。帝劇で暮らし始めて以来、自分達の膝元と言えるくらいの近場に敵の隠れ支部のような場所が潜んでいたと聞いて驚きはしたものの、よくよく考えれば納得のいく推察だった。
「そこのどこかにさくらもいるかも知れねぇな。
ジン。加山」
米田に名前を呼ばれたジンと加山の両名は、どこか威圧しているようにも見える米田の司令としての顔を見て、反射的に背筋を伸ばす。
「さくらを拐った刹那を放置するわけにはいかねぇ。なんとかさくらの捕まっている敵の潜伏域を探ってくれ。だがしらみ潰しに探し回っている時間も余裕もこっちにはない。一発で当てるつもりで調査に向かってくれ」



支配人室を出てから廊下にて、改めてジンは加山と言葉を交わし始めた。
「…そういえば今思うと、意外でしたよ。さくらや大神さんに続いて、加山さんまで帝国華撃団に配属されてたなんて」
さくらと大神と加山、とある一日で初めて会った3人全員が、今では同じ組織の仲間であることを思い出したジンは、改めてそれを思い返して驚きを口にした。
「俺もだ。米田司令のことは、軍の方でも名を轟かせていたからな。まさかご家族がいたとは思わなかったよ。しかも、一度顔を会わせた間柄だったとはな」
加山もまたそれに至っては同感だった。世界は案外狭いものだったと思わされる。
「改めて…月組隊長の加山雄一だ。よろしく頼む」
「はい、こちらこそ。気軽にジンって呼んでください」
帝劇の仲間としては、今回が初顔合わせになる。二人はお互いに握手を交わし合った。
「そうだ加山さん、任務に向かう前に大神さんの見舞いに行きませんか?」
「ああ…」
大神の名前を聞いて、さっきは何とか笑顔を保っていた加山の表情に、若干の陰りが一瞬だけ現れた。
二人は外に出る前に、帝劇二階にある大神の部屋へ向かいだした。大神は、あ
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