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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
4-4 隊長失格
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田司令!
今回の大神の負傷、そして真宮寺隊員の誘拐…全て自分がみすみす人質にされてしまったことが原因です!米田司令、俺に処分を下してください!」
デスクの前で頭を必死に下げ続ける加山。大神は、まだ自分が月組の隊長であることは知らないままだ。月組は本来隠密活動が主な担当であり、味方にもその正体を探られないようにしないといけない。当然ながら敵につかまってしまうなどあってはならないことだ。まして、士官学校時代の友に大怪我をさせることになったのだからなおさらだ。
「……加山、顔を上げろ。お前はよくやっている。今回はお前だけの責任じゃない。敵の動きを予測しきれなかったことも大きいからな」
米田は加山に罰を下そうとしなかった。実際隊長として月組の面々をうまくまとめてくれているという意味では加山もまた大神とはまた違った逸材でもあり、加山たちの隠密能力は大したものなのだ。さすがに首にさせる、なんて真似はできないし、これからもしっかり部下として働いてもらわなければならない。
「それより加山、今回の敵について気になることはなかったか?」
「は……今回、花組が交戦した敵の名は刹那…黒之巣会という組織の幹部に当たる者のようです。奴の能力は、アイリス隊員と同様に他者の心を読み取ること」
「黒之巣会…か」
「心を読む…!?」
米田は目を細める。ジンも話を聞いて、即座にアイリスと初めて会った頃のことを思い出した。彼女は当初から、何も言っていないのに、こちらのことを見透かしているような不思議な言い回しをすることがある。後に彼女には心を読む力があると聞いていた。うまく利用できれば、戦闘においてかなり役立てることは明白。
だが、敵側…黒之巣会にも同様の能力者もいたということになると、そうも言ってられない。
「厄介だな…それで花組の動きも奴には手に取るようにわかっていたわけか」
先日の戦闘で、刹那が花組の攻撃もいともたやすくかわしていた光景が蘇る。初めて戦う相手でありながら、あたかも前日までに舞台で展開される殺陣を極みともいえるほどに完成させたかのような、鮮やかな動きで刹那は全てよけきって見せていた。
「…だが、厄介なのはその刹那ってやつがこちらの心の隙を突いてくるとこだな」
「ええ、実際花組の面の中で、マリア・タチバナ隊員の動揺が激しかったと見受けられます」
「マリアさんのが!?」
「やはりな…」
目覚めて以来、帝劇におけるマリアの性格がどんなものか。冷静沈着で自他共に厳しく、そのように認識しているジンは驚くが、米田は妙に納得を示していた。
「やはり?どういうことですか?マリアさんはかなり冷静さを保てる人のはずじゃ」
「…誰にでも心に抱えてるものがあるってことさ、ジン」
…あいつがそうだったようにな。つい米田はそのように言いそうになったが、喉の奥でひっこ
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