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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第70話
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「『今回の件で懲りたのならば、2度と戦争の決着がつくまでクロスベルに潜入して未来のクロスベルの民達に手を出す等といった愚かな事を企まない事だな。もし、次に同じことがあれば”太陽の砦”での北の猟兵達と同様”皆殺し”にしてやろう』との事です。」
「『未来のクロスベルの民達』…………――――――!クロスベルが匿っている”第二のハーメル”である”アルスター”の民達ですか……」
「なるほどね〜。今回シャーリィ達に”嵐の剣神”と支援課のお兄さん達を派遣したのは”アルスター”の人達にシャーリィ達が手出しできないようにする為の”牽制”と”見せしめ”だったんだ。」
エリィによるヴァイスの伝言を聞いてあることに気づいたクルーガーは静かな口調で呟き、シャーリィは意味ありげな笑みを浮かべた。
「”牽制”と”見せしめ”………”牽制”は戦争中エレボニア帝国政府の関係者がクロスベルが匿っている”アルスター”の人達の暗殺の件を含めたクロスベルで何らかの破壊工作や暗躍をさせない為で、”見せしめ”は例え”執行者”のような凄腕の人達がクロスベルに潜入できても、”道化師”のようになるって事だろうね………」
「って事は、”かかし男”達がクロスベルに潜入した時点で”かかし男”達はあのクロスベル皇帝の掌の上で踊っていたって事なのかよ!?」
「ああ………そして恐らく彼もヴァイスハイト陛下から特務支援課が到着するまでに予め潜入した4人の内の誰か一人は絶対に殺害しておく事も命じられていたかもしれないね……」
「………………」
(ほう、中々勘が鋭い娘達だの。)
「やれやれ…………”そっちが本命”だったとは、”西ゼムリア通商会議”の時といい、”六銃士”は俺達やオッサンにとって”天敵”のような連中だな…………――――――確かにクロスベル皇帝からの”警告”は受け取った。じゃあな、Z組。特務支援課もまたな〜。」
エリィの伝言を聞いてトワはヴァイスの目的を推測し、その推測を聞いたアッシュは信じられない表情で声を上げ、真剣な表情で自分を見つめて推測を口にしたアンゼリカに対してセリカは何も答えず黙り込み、その様子を見守っていたハイシェラは口元に笑みを浮かべ、レクター少佐は疲れた表情で溜息を吐いた後残った片手を振りながらその場から去っていった。

「――――――シャロン!」
そしてレクター少佐に続くようにクルーガーも背を向けて去ろうとするとアリサが呼び止めた。
「……いずれ決着をつけるわ。母様や”あの人”――――――そして貴女とも。でも、どんなことになってもこれだけは変わらないと思う――――――私達にとって貴女がどこまでも”シャロン”だっていうことだけは。」
「アリサ…………」
「その”意志”だけはせめて受け止めさせていただきましょう。それでは、Z組の皆様。……”アリサ”様をよろしくお願いし
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