暁 〜小説投稿サイト〜
MOONDREAMER:第二章〜
第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第3話 好機
[6/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
は人力でしか出来なかった筈だ。
 その筈が、先程まで確かにこの機械はエンジン音を出して自力で動いていたのだから。
「あっ、それですね」
 勇美は合点がいったとばかりにポンと自分の手を打った。
「確かに私の能力は自力で出来るのは機械の生成と変型までですけど、動力源さえあればこの子の力で動いてもらえるんですよ。ちなみにこの子の動力源の燃料は河童の皆さんから買っています」
 そこまで聞いて依姫は合点がいった。生成と変型までしか勇美の力では行えないが、エネルギーがあればこの『マックス』とやらは機械として稼働するのだと。動物で言えば食べ物があれば良いというようなものか。
「やはり、面白い能力ですね」
 依姫は素直に感心の意を示した。
(いえ、もしかしたらこれは……)
 それと同時に彼女の頭の回転は巧みに行われ始めた。永琳お墨付きの『頭が切れる』性質が発揮されたのだ。
 そして、脳内で練り上げられた結論を声という形にし始めた。
「貴方のその力、前に動力が確保出来ないって言ってたわよね」
「はい、燃料なんていつも持ち歩いている訳にはいかないから、弾幕ごっこには不向きなんですよ」
 数日前の夜と同様に憂いを帯びた表情となる勇美。だが依姫とて人のコンプレックスを蒸し返して意地悪するような趣味は断じて持ち合わせていないのだ。そして依姫は続けた。
「その問題、解決出来そうよ」
「えっ?」
 依姫のその言葉の意味を瞬時には理解出来ず、勇美は聞き返してしまう。だが、脳の理解が追い付いてくる。
「本当ですかぁ〜、私が弾幕ごっこ出来るようになるって〜?」
「ええ、本当よ」
 はしゃぐ勇美を微笑ましく、かつ落ち着いて依姫は見据える。
 ちなみに盛大に飛び跳ねて喜ぶものだから、勇美の幻想郷では普段は見ないセーラー服のスカートの中身が見えるか見えないかの瀬戸際まで事は進んでしまったのだが、依姫は敢えてこの場はそれを黙認した。
「で、どうやれば私は弾幕ごっこ出来るようになるのですか?」
 ようやく落ち着いた勇美は、最大の疑問を依姫に突き付けた。
「それはね──」
 依姫は言って呼吸を整え、そして、
「私の神降ろしの力を使うのですよ」
 と、締め括った。
「えっ、それってどういう事ですか?」
 勇美は首を傾げる。当然だろう、依姫の発案は一見すると突拍子もないのだから。
「それはね、私が予め神々とコンタクトを取っておいて、私が借りた神の力を更に貴方が借りてその……マックスの動力に組み込むという方法を取るのよ」
「そんな事が可能なのですか? それにそんな事して弾幕ごっこしてもいいのですか?」
 色々飛んでいる話を聞かされて、勇美はつい質問責めしてしまう。
「ええ可能よ。それに行っても問題ないわ。幻想郷を管理する妖怪の式の九尾の狐は、更に式
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ