第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第3話 好機
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、美味しかったね」
「そうだね〜」
そう仲睦まじく話す様は、捕食する側とされる側とは到底思えない。
「今度は私の事食べようとしないでくれると助かるよ」
「ん〜、考えとく〜」
訂正。仲睦まじいやり取りの間にも補食するされる間柄の殺伐とした内容が含まれていたようだ。
そしてルーミアは夜の竹林の中へと繰り出していった。
彼女は妖怪であり、夜の眷属である。だから今がルーミアの『時間』であるから、そこへ送り出すのは自然な事であった。
その様子を見守っていた依姫は安堵の溜め息をついた。──何事も起こらなくて良かったと。
勇美が襲われかけていたのだから何事もなかった訳がないのだが、それは依姫が解決したから問題ないのだ。
それとは別に、依姫の注意は最初にルーミアを見た時のリボン代わりのお札による封印に他ならなかったのだ。
全てを受け入れる幻想郷にいながら、その上で『何か』を封じ込められている。これはただ事ではない。あそこには何かこの世に解き放ってはいけないものが押さえ付けられている──依姫はそう思えてならなかったのだ。
だが一先ず問題は起こらなかったのだ。依姫はもうこの事については詮索するのを止める事にした。
今度はもう一つの謎について知りたいのだった。
◇ ◇ ◇
勇美は今、永遠亭の応接室に案内されて来ている。そこには依姫、てゐ、鈴仙、永琳、輝夜がいた。
「と、いう訳なんですよ。驚かせて済みませんでした」
勇美が説明を終えた所のようだ。
それは他でもない、彼女が竹林で見せた『鉤爪』の事であった。
あれは勇美の能力で作り出したものであった。
黒銀勇美の能力──それは『機械を生成し、それを変型させる程度の能力』である。
具体的に言うと、空気中の物質を集めてそこから機械のような物を造り出し、それを変幻自在に変型させる事が出来るのだ。
「面白い能力ね、幻想郷全体を見てもかなり珍しい部類だと思うわ」
永琳が目を細めてうっとりするかのように言った。
「でも……」
だが今度は含みのある言い方をして続けようとする。
「分かっています」
と、ここで永琳の言葉を遮るように、この話題の当事者である勇美が言葉を発した。
「私の能力は機械の生成と変型までで、動力を生み出す事は出来ないんですよね」
だから自分の力で機械を動かす人力になってしまい、非力な人間の力では十分に性能を発揮する事が出来ないのだ。
「弾幕ごっこに向いてないんですよね、この力……」
例えばルーミアに出会ってしまった時に能力で右腕に鉤爪を生成して装備していたが、それは人間の力では満足に武器として機能しないから悪あがきであったのだ。
はあ、と苦笑しながら口惜しさを見せる勇美。その姿は愛おしくも切ない。
「それは残念ね…
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