第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第2話 綿月依姫のスペルカード
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られ、スペル名が示す通りに大黒様の創り出した黒穴へと取り込まれていったのだ。
「ええっ!?」
当然ルーミアは驚いてしまった。自信のあった自分の攻撃を、まるでそうめんを啜るかのように吸い込まれてしまったのだから。
唖然とするルーミア。そしてそれに目を引き付けられていたのは彼女だけではなかった。
「すごい……」
脇で戦いの流れを見守っていた人間の少女も目を見張り、そして依姫の華麗な戦い方に魅了されていたのだ。
「さすがはお師匠様のお弟子さんだね」
一方でてゐは前もって依姫の情報を知っていた分、少女よりも幾らか冷静であった。
だが百聞は一見にしかず。幾ら耳で話を聞こうとも、実際に見るのとではその実感はかけ離れているものだった。
そして依姫はルーミアに対して口を開く。
「今ので終わりですか?」
「ば、馬鹿にしないでよね!」
依姫に言われて、いきり立つルーミア。彼女とてまだこれしきの事で終わりはしないのだ。
「【闇符「ディマーケイション」】」
ルーミアが三番目のスペルカードを宣言する。すると辺りの視界が悪くなってきた。
まるで北向で見張らしも悪い部屋で周囲を取り囲んだかのような居心地の悪さに包まれる。
辺りを闇が覆い始めたのだ。これでは依姫にとって相手を認識しづらくなるだろう。
「驚いた〜?」
ルーミアが得意気に言ってのける。
「……」
対して依姫は無言だ。闇で視界が悪くなっているため、その表情は察する事は出来ない。
「でも、これだけじゃないんだよ〜」
水を得た魚のようになったルーミアは続けて言った。
「もう一回『ナイトバード』!」
そして更にスペルカード宣言をした。一度に複数のスペルを掛け合わせる戦法を取ったのだ。
一回目のナイトバードの時と同じく黒い闇の鳥がルーミアの周りに生成される。
「私の鳥さん達、もう一回行きなさ〜い!」
そしてルーミアが依姫目掛けて指を指すと鳥の兵団は再び依姫を襲ったのだ。
しかも、今回はディマーケイションの効果により辺りは闇に覆われているため、その攻略何度は格段に上がっていた。
(成る程、スペルの複合ですか……)
依姫は素直に感心していた。そしてやはり今回も冷静であった。
(ここは……『愛宕様』よ、我に神の火の力を)
依姫はそう心の中で神に呼び掛けた。
するとぼわっと音を立てて依姫の両手に炎が灯ったのだ。
そして依姫の周りが明るく照らし出される。松明のように厳かなその火は、本当に松明のように闇を照らす事も出来るのであった。
「これで『闇』の目眩ましは効きませんよ」
「うぅ〜」
再び依姫にペースを持っていかれたルーミアは唸った。
「それでは、その鳥達は駆除しなくてはいけませんね」
そこで一旦言葉を区切り、続ける。
「
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