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MOONDREAMER:第二章〜
第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第2話 綿月依姫のスペルカード
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ルーミアであった。彼女は両手を広げ十字架のような体制を取ると、『スペルカード』を宣言した。
「【夜符「ナイトバード」】」
 その宣言と共にルーミアの両手から闇のもやが生まれ、そこから次々に何かが現れ始めたのだ。
「鳥……?」
 依姫の呟き通り、その闇は鳥の形を取っていたのだ。無数の黒いエネルギーの鳥がルーミアの周りで羽ばたいている。
「私の鳥さん達、あいつをやっつけちゃって〜」
 鳥達の司令官となったルーミアは彼等に命令した。するとバサバサと本物の鳥のように羽音を鳴らして依姫に飛び掛かっていったのだ。
「面白い攻撃ね」
 素直に依姫は感心していた。そして極めて落ち着いていたのだ。
「だけど遅いわね」
 眼前に黒鳥の群れを迎えながら、依姫は余裕の態度を取っていた。そして鞘から刀を引き抜く。
「はっ」
 そして掛け声と共に最初の一羽目掛けて刀を振りかざした。袋から空気が抜けるような音を出して霧のようにかき消え、その鳥は刃の犠牲となった。
 続いて二羽、三羽と間を開けずに切り落としていったのだ。次々に無に還されていく鳥の群れ。
 やがて群れは完全に全滅したのだ。一仕事終えた依姫が口を開く。
「どうしました? その程度では私はスペルカードを使うまでもありませんよ?」
「くぅ〜っ」
 第一手を軽々と潰され挑発的な台詞を投げ掛けられて、ルーミアは悔しそうに歯噛みした。
「ならばこれはどうだ〜! 【月符「ムーンライトレイ」】!」
 二度目のスペルカード宣言をしたルーミアは再び両腕を左右に広げて十字架のポーズになると、両手に先程の闇とは違う青白いエネルギーを集め始めた。
 そして、一頻りエネルギーが集まると、そこから同じく青白い光線が発射されたのだ。それも両手からなので二本も。依姫の眼前に迫る二対のレーザー。
「そう来ましたか?」
 だが依姫は、その攻撃を目の当たりにしてなお、冷静でいた。
 当然だろう。以前月ではこれを遥かに凌駕する高出力のレーザーを相手にしているのだから。
 その時は神が創りし鏡で弾き返したのであるが、今回はそこまでする必要もないだろう。
 そして依姫は今降ろすべき神を決めたのだ。
(『大黒様』よ、我の前に力を示したまえ)
 依姫はそう心の中で唱え、両手を目の前に翳したのだ。
 すると、そこに黒い渦が発生し始めた。これで目の前のレーザーに対する準備は出来た。
 だが、『弾幕ごっこ』ではそれだけではいけないと依姫は分かっていた。月での戦いでは怠ってしまったが、これからは抜かりなく『スペルカード宣言』をしなくてはいけない事を。
 そう決意して依姫は口を開く。
「【集符「光すら吸い込む黒き穴」】!」
 これが依姫の初のスペルカード宣言となった。
 そしてルーミアのレーザーは二本とも軌道を変えさせ
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