第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第1話 出会い
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まう。なので彼女の手には『ナビゲーター』なる永琳の開発した機材があったのだ。
この機材は現在位置を地図で表示してくれ、更に特定の人物の居場所まで指し示してくれる機能まで存在していたのだ。
「我が師ながら、存在がでたらめな物を作ってくれますね……」
依姫は永琳の頭脳明晰っぷりに閉口するしかなかった。深く考えたら負けである。
だが使えるのだから使うしかないと、依姫は腹を括り、その機械の示すままに歩を進めていったのだ。
◇ ◇ ◇
そして依姫は目的の人物を見つけたのだ。
癖っ毛の黒のショートヘアに、ナース服をアレンジしたかのようなピンクのワンピースに、頭頂部に兎の耳の生えた小柄な少女。更に付け加えると屋外にいるにも関わらず裸足。
「見つけたわよ、てゐ」
そう、彼女こそが紛れもなくお目当ての人物『因幡てゐ』であった。
「あ、依姫ごぶさた〜」
てゐは気の抜けるような挨拶を依姫にした。
「どうしたのかしら、帰りが遅いみたいだけど」
「それがね〜」
依姫に聞かれて、てゐは参ったと言った感じで話を切り出し始めた。
◇ ◇ ◇
「つまり、貴方はその人間を人里に送る最中にはぐれてしまい、それで探していて帰りが遅かったという訳ですね」
「そういう事〜」
てゐの説明を受けて、依姫は事の詳細を把握したようだ。
「でも、どうしよ〜」
頭をかきながらてゐがぼやく。
「それなら、この『ナビゲーター』の出番ですね」
そう言って依姫は手持ちの機械をてゐに見せる。
「その人間の事を頭に浮かべながら、この機械のこの箇所を押してみなさい」
このナビゲーターには使い手の思考から情報を読み取ってデータに反映してしまう機能があるようだ。依姫はそれを説明していく。
「うん、だいたいわかった。これをこうして、あれを……」
そしててゐはその人間の位置情報をナビゲーターに映し出していったのだ。
◇ ◇ ◇
「そろそろですね」
ナビゲーターを持ちながら依姫とてゐは竹林の中を歩いていた。
「そうだね……って、あの子だ!」
てゐは突然声をあげる。どうやら目的の人物を見つけたようだ。
そこには人間の少女と彼女に襲い掛かろうとしている妖怪の少女の姿があったのだ。
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