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緋弾のアリア ──落花流水の二重奏《ビキニウム》──
緋神の巫女と魔剣《デュランダル》 IV
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いる。


「『極めて希少価値の高い金剛石の素』と、君は星伽白雪を評価したね。どうして白雪を狙うのか不思議だったんだけど、少し考えてみれば、君たちにしてみるとどちらに転んでも嬉しい出来事だね。敢えて詳細は伏せておくよ。……キンジもいるから」


キンジを一瞥し、「ごめんね」と呟く。
もしこのままジャンヌを逮捕してしまったら、この場にいた俺とアリアは元よりとして、キンジの身が危うくなる。
部外者を《イ・ウー》に触れさせることは、実に危険なのだ。
なんせ理子の忠告に則れば、そういうこと(・・・・・・)なのだからね。


「まぁ、それはさておき。……君たち一族は、『ジャンヌ・ダルク処刑裁判』がもとで、(ほのお)に恐怖心を抱くことになったのも、実は知っているんだ」


この一言で、ジャンヌが眉を顰めたのがハッキリと見て取れた。目に見えて分かる、最も大きな動揺。
ここまで察しがついているとは思わなかったのだろう。情報戦では、こちらが1本とることが出来た。


「このあたりまで説明したところで、本当にジャンヌに伝えたかったことを伝えておくよ。なんだと思う? ……いや、聞く間があるなら、すぐにでも始めた方が吉か」


呟き、俺は天井を──その更に上を、指さした。つられるようにして、ジャンヌも。事情を知らないキンジも、真上を見上げる。


「この案件、教務科には既にケースDとして報告済みだよ。ここに来る直前、D7に訂正したけどね」
「……本気で、私を捕らえようとするわけか」
「そういうことだねぇ」


ケースD。これ単体で、アドシアード開催中の、武偵校内での事件発生を意味する符丁になる。
それに番号の7が付与すると、事件であるか否かは問わず、アドシアードを予定通り実行。事件であった際は秘密裏に解決する、ということを意味するわけで。

事件発生地がこの場所であることは教務科に通報済みだし、武偵病院に白雪を搬送した時点で既に緊急事態だ。
ともすれば頃合を見て、強襲科やらの有望手が総動員されることだろうね。相手は都市伝説に近しい《魔剣》。
そして、報告者は──如月彩斗、神崎・H・アリア。信用には事欠かないはずだ。

ふぅ、と小さく溜息を吐く。説明は既に終えた。
これから行うのは──武偵なりの義に則った、執行。


「……アリアとキンジは、後方支援を宜しくね」


控えている2人の返事は待たない。意識と視界の中に居るのは、無論、ジャンヌ・ダルク30世だ。俺はアリアとキンジから距離を置き、彼女と少しでも間合いを縮めるように歩を進める。

甲冑に包まれた身?は既に西洋大剣を携え、脚を半歩引いて、既に攻撃態勢を整えていた。
刹那──彼女は予備動作を見抜く暇すら与えず、地
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