第十七話「それぞれの動き」
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提供された。一番大きいのは自治領統合軍で使用されているガルガント級駆逐艦が2隻、2B級巡洋艦が1隻譲渡されたことだろう。パーパルディア皇国の艦隊を撃滅できるその艦の無償提供を受けアルタラス王国は一気にアルゼンチン帝国を好意的に受け入れ始めた。
そしてターラ14世はこれのお礼という事で異世界国家で初のアルゼンチン帝国本土へと足を踏み入れる事となった。
アルタラス王国は今後アルゼンチン帝国との国交を深めていく事となる。特に王女ルミエスは後にアルゼンチン帝国唯一の元貴族エインズワーグ家の次男と恋に落ち嫁ぐことになる。帝国でも有数の大企業の社長を義理とは言え息子に持ったアルタラス王国にエインズワーグ家は様々な支援を行い地球国家以外で最初に近代化に成功し技術力で言えば極東国家連合の中で上位に位置するようになるのであった。
一方でフィルアデス国家の中でパーパルディア皇国と同様に滅ぼされた国があった。リーム王国である。リーム王国は72ヶ国連合を支援し自らもパーパルディア皇国に攻め入っていた。しかし、それを邪魔に思ったアルゼンチン帝国により72ヶ国連合諸共殲滅させられ本土もグレート・ディアボロスなどの艦隊により焦土へと化していた。
因みに、この時点でリーム王国の正確な国境線が分かっておらず北方に位置していたマオ王国も焦土と化していた。あくまで偶然であると言っているが真意は不明である。中にはアルゼンチン帝国に否定的だったマオ王国に対する制裁とも噂されたがやがて沈静化していった。
フェン王国はパーパルディア皇国でのその動きからアルゼンチン帝国の怒りを買いパーパルディア皇国攻めとは別に本土を蹂躙されていた。住民の大半が殺されフェン王国の領有していた島はアルゼンチン帝国の軍事基地として利用されていく事となる。
そしてパーパルディア皇国は戦後処理で悲惨な結末を迎えた。
先ず中央部から東部にかけアルゼンチン帝国の支配地域となり今回参戦した神聖オーストリア・ハンガリー帝国には西部を、様々な支援を行ったヌナブト連邦共和国にも領土が分配された。そして奥の方は両国の共同統治領フィルアデスとなった。
アルゼンチン帝国はエストシラント周辺やリーム王国領、デュロなどが存在した東部沿岸部を直轄領としそれ以外を帝国領パールネウスとした。そして驚くべきことに自治領指導者の地位にはレミールが就任したのである。自治領はアルゼンチン帝国の臣民や帝国白銀党の党員のみが就任できる者だったが下手に置くより心が砕かれ決して反抗する気のない元皇女を起用した方が、統治が楽なのでは?という考えの元であった。因みに新たに誕生した帝国領マオは帝国白銀党の党員が自治領指導者となっている。
アルゼンチン帝国やその周辺が極東国家連合として独立したため第三文明圏は既に崩壊
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