後編
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が異常事態です。
私は対応に躊躇したまま、和久田さんを見守りました。
緊急事態 ! !
唐突に、私は高まる危険を感知しました。
和久田さんがいきなり叫び声を上げ身悶えすると、その体からぬるりとスライム状の黒いものが抜け出したのであります。
黒いスライムはスピカさんのコンピューターに這いよって取りつくと、みるみる一体化しました。するとスピカさんの顔の部分に仮面が浮かび上がってきたでのあります。それから今度はスピカさんの体がガクガクと震えだし、「アイギスさん!」と声を張り上げました。
「シャドウ!」
私はそう応えて身構えると、腕の機銃に実弾を装填しました。
私達がアイギスを追って展示買会場まで戻ると、入口の扉は力まかせにこじ開けられていました。
アイギスの仕業でしょう。ワゴン車のドアといい、常軌を逸しているといっていいほど強引な行動です。いったい何があったというのでしょうか。
「アイちゃん、無茶すんなあ。」と順平君がぼやきます。
「いったいどうしちゃったんでしょう。アイギス、心配ですね。」
私も不安にかられて言いました。
「異常事態としか言えないな。まるで暴走だ。状況次第ではアイギスの緊急停止も必要になるかもしれない。」
桐条先輩も困惑したようにつぶやきました。
「そんな・・・」
「ともかく急ごう。」
『彼』がそう言って中に入ろうとしたとき、不思議な感覚と共に周りの様子が一変しました。
「影時間だ。」
桐条先輩があたりを見回して言いました。いつの間にか0時を回ってしまったのです。
そしてそのタイミングで、私は異常な反応を捉えました。
「待ってください。この感覚・・・間違いないです。シャドウです。」
みんなが「えっ!」と驚きの声を上げました。
「アイギスの暴走は、シャドウの存在を感知してのことだったのか?」と桐条先輩が言います。
「まずいですね。シャドウが出たとなると・・・武器がない。」
『彼』が桐条先輩に向かって真剣な表情で言いました。
それに対して、先輩が首を横にふりました。
「いや、実は、いつ何があるかわからないので、念のため車に召喚器を積んである。すぐ取ってこよう。」
そう答えると、桐条先輩はそのまま車の方に駆け戻りました。
本日はタルタロスでの戦闘の予定がなかった為に、予備の銃弾が有りません。
今、機銃を使用すれば、たちまち弾を撃ち尽くしてしまいます。相手の戦力が不明である以上、戦闘は慎重に進めることが必要であります。
私がじりじりと『スピカさん=シャドウ』の出方を見ていると、シャドウはその体から触手を複数伸ばし、床に這わせて広がっていったのであります。
やがて、背後から何か近づいてくる気配を感じました。もしや皆さんが? と思い振り返ると、そこには3体のロボットが立っていました。
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