暁 〜小説投稿サイト〜
レーヴァティン
第百四十五話 港町からその三

[8]前話 [2]次話
「その分だ」
「その二国よりもな」
「国家元首の権威では勝っていると言っていい」
「そうなんだよな」
「如何にはねっ返りの国家元首でも天皇陛下の前では謙虚になる」
「ああ、フィリピンとかな」
「そうした方だ、お前が駄目ではない」
「日本の天皇陛下が凄過ぎるんだな」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「そうなる」
「そういうことなんだな」
「あれだけの権威は一代では無理だ」
「ざっと百代か」
「そうだ、勿論その代の陛下のご資質もあるが」
「歴史を積み重ねた伝統がな」
「大きい」
 何といってもというのだ。
「だからだ」
「それで、だよな」
「お前と比べたらな」
 それこそというのだ。
「全く以て格が違って当然だ」
「そうだよな」
「とはいってもお前は北の将軍様とは全く違うがな」
「あの世襲制か」
「共産主義では有り得ない筈だがな」
 世襲なぞだ、到底有り得ないと考えることが妥当である。
「日本では支持している奴もいる」
「日本の皇室は反対でな」
「こうした連中についてははっきり言える」
「馬鹿だよな」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「文字通りな」
「そうだよな」
「これ以上はないまでの馬鹿だ」
「そう言うしかないよな」
「北朝鮮は言うなら僭主だ」
「俺は僭主じゃないか」
「確かな皇帝だ」
 そうだというのだ。
「だからこのことは安心していい」
「そうなんだな」
「存分にな、しかしだ」
「しかし?」
「僭主は反面教師にしろ」
 こうも言うのだった。
「いいな」
「なるべきじゃないな」
「そうだ、何があってもな」
「僭主ってのはな」
「民を騙している」
「そこに真実はないからな」
「だからだ」
 それ故にというだ。
「お前はだ」
「僭主にはなるべきじゃないな」
「北朝鮮の様なものはな」
「だよな、というかな」
「どうした」
「いや、北朝鮮みたいな政はな」
 久志は正に応えて述べた。
「ちょっとな」
「出来ないか」
「あれは狙ってもな」
 例えそうしてもというのだ。
「出来ないだろ」
「個人崇拝にだな」
「自分だけ贅沢してな」
「軍隊ばかり大きくて民は餓えている」
「内政は滅茶苦茶でな」
「そうだな、あれは実際にだ」
 正も認めることだった。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ