第十六話「列強の落日4」
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第十六話「列強の落日4」
「帝国臣民達よ。戦争は終わった」
その日、アルゼンチン帝国の総統アイルサン・ヒドゥラーによるテレビ中継が行われた。複数のカメラが向けられている中アイルサン・ヒドゥラーは淀みなく喋る。
「先日、パーパルディア皇国の全土併合を完了した。そして我が国に対し宣戦布告もなしに攻めてきたリーム王国にも我が鉄槌が落ちた
我らがこの世界に転移してきて既に一年近くの時が流れた。我々はこの一年で転移による混乱と影響力を確保できた
これも全て諸君ら帝国臣民の努力の賜物である
さて、話を戻そう。パーパルディア皇国を滅ぼしリーム王国を焦土に変え我が国を足で使おうとしたフェンと名乗る武装勢力を殲滅した。我が国の周りに脅威はなくなった
そこで我々は友好国であるヌナブト連邦共和国、神聖オーストリア・ハンガリー帝国。我が国と関係のある高天原帝国、カンプチア連合共和国、西サハラ帝国。そしてこの世界で出来た友好国たるクワトイネ公国、クイラ王国、アルタラス王国、ガハラ神国、シオス王国と共に第一文明圏、第二文明圏、第三文明圏とは違った高度な陣営の創設を宣言する!
陣営名は【極東国家連合】でありこれ以後我らは更なる発展を遂げるだろう!」
アイルサン・ヒドゥラーの言葉にアルゼンチン帝国の各地で大規模な歓声が上がる。中には「アルゼンチン帝国万歳!」と声を上げる者もいるが中には否定的な意見を持つ者もいた。
「……アイルサン・ヒドゥラーのやっている事は侵略と何ら変わらない。それでは侵略された土地に住む民族、種族があまりにも不幸だ」
パタゴニア労働党アンタン・ツレイキーはアルゼンチン帝国本土のとある都市にてそう呟いた。パタゴニア労働党はアルゼンチンで唯一の共産党勢力だったが十年以上前にアルゼンチン南北戦争を起こして以来過激派組織として粛清の対象となっていた。
しかし、アンタン・ツレイキー他幹部たちは外部協力者の支援のもと今の今まで捕まらずに暗躍していた。
「アイルサン・ヒドゥラーなどという何処の馬とも知れぬ男にこの国を好きにさせてはならない!」
「その通りだ!」
「アイルサン・ヒドゥラーなんてくそくらえだ!」
アンタン・ツレイキーの言葉に党員たちが一斉にアルゼンチン帝国やアイルサン・ヒドゥラーを否定する罵詈雑言を叫ぶ。そこへ一人の外部協力者が入って来た。
「同志ツレイキー!帝国軍の奴らが来ています!急いで非難を!」
「分かった。諸君!我らの耐え忍ぶ日々はまだ続くが今度こそ必ず革命を成功させアルゼンチンを本来の姿へと戻すぞ!」
「「「「「おおぉぉぉぉぉぉっ!!!!」」」」」
「同志ツレイキー!早く!」
数分後帝国軍が踏み込んだ時にはアンタン・ツレイキー他幹部や外部協力者の姿もなくもぬけの殻となっ
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