第十五話「列強の落日3」
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自分たちが、72ヶ国連合がこうしてパーパルディア皇国を相手に反乱を行え得ている元凶。
文明圏外のはずの、パーパルディア皇国にせめて来るまで誰も知らなかったような国。
僅かな日数でパーパルディア皇国を圧倒し滅亡へと向かわせている国。
赤き十字を囲む深海の如き碧。
それらの間で調停を成す純白。
アルゼンチン帝国が誇る戦車部隊の姿があった。
「あ、ああ……!」
男は双眼鏡を落としそうになる。男にもパーパルディア皇国だけではなく自分たちにも牙を抜くアルゼンチン帝国の報告は入っている。そして、決して勝てない事も。
72ヶ国連合の兵士たちは恐怖する。パーパルディア皇国という大国を呆気なく潰す、超大国が自分たちごと滅ぼそうとやってきている。自分たちに出来るのは抵抗して死ぬか抵抗せずに死を受け入れるかの二択のみ。逃げ切る事など出来ない。必ず追いつかれ殺される。
そんなアルゼンチン帝国が遥か彼方とは言え双眼鏡で見える距離に迫ってきている。それも馬よりも早い速度で。
「知らせないと……!」
男はその場から動こうとしたがそれも一瞬だった。
男がいた城壁は戦車から放たれた砲撃により呆気なく瓦礫と変え男も血肉へと変貌したのだから。
72ヶ国連合にとってパーパルディア皇国を超える悪魔の牙が自分たちに届いた瞬間だった。
「これが……、アルゼンチン帝国の戦い方ですか」
グラ・バルカス帝国の軍人ミレケネスは作戦参加中のグレート・ディアボロス級原子力戦艦の一番艦グレート・ディアボロスの指令室で作戦の詳細が書かれた紙を見ていた。作戦の詳細が書かれている紙にしては神は二枚しか存在せずそれも片面にかかれているのみだった。
それだけアルゼンチン帝国はパーパルディア皇国を倒すのにそれだけで勝てるという表れでもあった。
「……祖国では難しいな」
グラ・バルカス帝国でもパーパルディア皇国を倒すのにそれなりの日数がかかるだろう。勿論レイフォルの様に簡単に降伏する間も知れないがその時は現在の様に元属国が独立し支配には大分時間がかかっただろう。
既に作戦の大半は終了しているらしく紙に書かれた作戦の九割が終わっている。同盟国だという神聖オーストリア・ハンガリー帝国軍も順調に侵略出来ているそうだ。
「……何とかしてアルゼンチン帝国の技術を手に入れられればいいが」
難しだろうなとミレケネスは考える。自国の優位を失うようなことをするとは思えない。むしろ不快に感じるかもしれない。幸いなのはアルゼンチン帝国とは遠く離れている事だ。多少の失敗くらいで敵対するとは思えない。
「……ミレケネス殿
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